三大河とは、関東を流れる坂東太郎(ばんどうたろう=利根川)、九州の筑紫次郎(つくしじろう=筑後川)、四国の四国三郎(しこくさぶろう=吉野川)を指す名数(めいすう)で、「日本三大暴れ川」のこと。日本三大河川(信濃川、利根川、石狩川)は、長さ、流域面積のTOP3ですが、三大河は「暴れ川」が基準になっています。
江戸時代の辞典などに記載のある名数
延享3年(1746年)に菊岡沾涼が記した『本朝俗諺志』(ほんちょうぞくげんし)、国学者・谷川士清(ことすが)が著わした93巻からなる国語辞典『和訓栞』(わくんのしおり)、江戸時代後期の歌人で国学者・関岡野洲良(せきおかやすら)の『廻国雑記標注』(かいこくざっきひょうちゅう)にも三大河の記載があるので、江戸時代には名数として定着していたことがわかります。
明治24年の『治水雑誌第五巻』(治水協会刊)に「全国直轄十数大川ノ中板東太郎、信濃岐蘇等ノ諸大川其他筑紫次郎四国三郎トイフベキ千年川(筑後川ノコト)」と記されているので、明治の治水関係者にも三大河についての認識があったことがわかります。
近年では吉野川の流れる徳島県関係者(吉野川交流推進会議・国土交通省徳島河川国道事務所・徳島県)が発起人となって、三大河の交流イベントも開催され、平成24年9月30日には坂東太郎(利根川/利根川流域交流会)、筑紫次郎(筑後川/NPO法人筑後川流域連携倶楽部)、四国三郎(吉野川/吉野川交流推進会議)の 「兄弟縁組」 が締結されています。
坂東太郎・利根川
幹川流路延長:322km(2位)
流域面積:1万6842平方キロ(1位)
源流標高:標高1800m付近の三角雪渓末端(大水上山)
関係都道府県:群馬県、茨城県、栃木県、埼玉県、千葉県
備考:信濃川、石狩川とともに日本三大河川
徳川家康の利根川東遷事業で流路が変更されています
筑紫次郎・筑後川
幹川流路延長:143km(21位)
流域面積:2863平方キロ(21位)
源流標高:瀬の本高原・標高890m地点(田の原川源流)
関係都道府県:熊本県、大分県、福岡県、佐賀県
備考:田の原川(たのはるがわ)、杖立川、大山川、三隈川、筑後川と名を変えるのが本流
四国三郎・吉野川
幹川流路延長:194km(12位)
流域面積:3750平方キロ(17位)
源流標高:瓶ヶ森・白猪谷(しらいだに)標高1200m地点
関係都道府県:高知県、徳島県
備考:渇水時と増水時の水量の差は利根川の4倍もある、日本一の暴れ川
三大河(日本三大暴れ川)とは!? | |
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