湯治場として知られる秋田八幡平山中の一軒宿の玉川温泉(標高750m)は、湯量も豊富で毎分9000リットルが湧出。塩酸を主成分とする強酸性の源泉は、ラジウム放射線を含み、世界的にも玉川温泉、台湾、チリの3カ所という貴重な泉質。効能は「奇跡の温泉」とまでいわれるほどで、長期滞在する湯治客も多いのが特徴。
日本一の強酸性温泉で、ラジウム放射線含有
pH1.2という硫黄島東温泉(鹿児島県)と並んで日本一の強酸性の湯が湧いています。
源泉温度はなんと98度。
微量のラジウム放射線が含まれていることから「〇〇に効いた」などと喧伝(けんでん)され、有名になりました。
台湾台北州七星郡北投街(現・台北市北投区)の北投温泉と日本秋田県の玉川温泉からしか産出しない北投石でも有名。
「玉川温泉の北投石」として国の特別天然記念物に指定されています。
玉川温泉を起点とした玉川自然研究路を歩けば、源泉地帯や岩盤浴場、北投石を見ることができます。
「玉川温泉は、ほかの温泉地や観光地と異なり、療養・静養を目的とした湯治宿です」というように、古から東北を代表する湯治場として機能してきました。
地元のマタギにより1680(延宝8)年に発見され、明治18年に湯治場(当時は「鹿湯」と呼ばれていました)となり、湯瀬ホテルを創立した5代目・関直右衛門が昭和9年に玉川温泉と改名。
私財を投じて玉川温泉までの道の開削などに尽力したのです。
当時は、農閑期にリフレッシュする目的で、そして病気の療養で、玉川温泉に滞在するというのが基本だったのです。
その伝統は今に息づき、現在も「湯治相談室」に看護師が常駐し、湯治の相談にのってもらえる仕組み(無料)。
旅館部に滞在して、現代的な湯治を体験
玉川温泉の温泉は、箱蒸し湯、寝湯、打たせ湯、蒸気湯、浸頭湯(浴槽のやや深めの部分へ後頭部を浸すようにして、短時間入浴)のある大浴場のほかに、屋内岩盤浴(無料/日中は要予約)、源泉近くの岩盤にござを敷き、寝転がって地熱で体を温める「岩盤浴」とよばれる独特の入浴法が用意されています。
もちろん、日帰り入浴も可能。
酸性-含二酸化炭素・鉄(2)・アルミニウム-塩化物泉で、リュウマチ、高血圧、皮膚病などに効能大。
大浴場の湯船も源泉100%ですこし温めの浴槽、心臓や血圧など循環器系統を患っている人向けの源泉50%の浴槽、気泡湯、弱酸性の浴槽など、利用者の立場に立って用意されています。
宿泊は自炊部(湯治)のほかに、ツインルームも備える「旅館部」もあって、温泉旅館としても楽しむことができます。
1泊だけでなく、旅館部に滞在して「3日湯治」と洒落込む常連も多いのが特長です。
夕食は、玉川温泉カフェテリアスタイル、朝食はブッフェ(バイキングスタイル)と、こちらもかなりオシャレです。
枕代わりになるもの(バスタオルや衣類)を用意し、好みの場所にゴザを敷いて横になります。
タオルケットなどをかけて熱を逃さないように工夫します。
低温火傷を防ぐためにも、ときおり身体の向きを変え、体を温めます。
1回30~40分程度で、1日1~2回というのがセオリーで、大量の汗をかくので実に爽快。
ただし、着ている服がビショビショになるほど発汗するので、「スエットやトレーナーなどの軽装」で体験を。
玉川温泉にはコインランドリーもあるので、命の洗濯が終わったら、衣類の洗濯を。
玉川温泉の浴衣やスリッパなどの利用はできないので、各自、事前に用意が必要です。
玉川温泉 | |
名称 | 玉川温泉/たまがわおんせん |
所在地 | 秋田県仙北市田沢湖町玉川 |
関連HP | 玉川温泉公式ホームページ/ |
電車・バスで | JR鹿角花輪駅から八幡平頂上、玉川温泉行きバスで1時間14分、終点下車、すぐ |
ドライブで | 東北自動車道鹿角八幡平ICから約30km |
駐車場 | 玉川園地駐車場(50台/有料) |
問い合わせ | 玉川温泉 TEL:0187-58-3000/FAX:0187-58-3005 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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