白亜の西洋建築物の康楽館は明治43年、明治後半には日本一の銅の産出を誇った小坂鉱山の厚生施設として建てられた芝居小屋。洋風の外観に反して内部は純和風の造りで、花道や回り舞台、昔ながらの桟敷席が設けられています。当時から照明施設を備え、東北随一の芝居小屋と呼ばれていました。
国の重要文化財に指定された現役の芝居小屋
康楽館は国の重要文化財に指定され、経済産業省の近代化産業遺産(有数の金属供給源として近代化に貢献した東北地方の鉱業の歩みを物語る近代化産業遺産群)に認定されていますが、今でも1日2回〜3回の常設公演(「下町かぶき組」による大衆演劇の上演)を実施。
3日前までに申し込めば、桟敷席で弁当を食べながら観劇を楽しむことも可能です(持ち込みは不可)。
なお黒子による館内見学も行なっており、所要20〜30分ほど。康楽館の歴史や特徴、日本最大級という直径9.73mの回り舞台や奈落(ならく)などの舞台装置、平幹二朗、仲代達矢といった名俳優が壁に残した落書きも見られる、木造の楽屋(芝居上演中は不可)などを案内してもらえます。
黒鉱鉱床が生み出した小坂の繁栄と康楽館
小坂町が属する秋田県内陸北部の北鹿(ほくろく)地方は、大陸から切り離され、日本海をつくった激しい海底火山によって形成された、黒鉱鉱床(化石化した海底熱水鉱床)の宝庫。
黒鉱鉱床とは、銅、鉛、亜鉛や金銀などを含む金属鉱床。しかも高品質で採算性が高い鉱石が密集している場所です。
よって小坂を含む北鹿エリアは、この豊富な黒鉱資源を背景に、鉱山地帯として発展できたという経緯があるのです。
その繁栄ぶりを今に伝えるのが康楽館なのです。
康楽館 | |
名称 | 康楽館/こうらくかん |
所在地 | 秋田県鹿角郡小坂町鉱山松ノ下2 |
関連HP | 康楽館ホームページ |
電車・バスで | JR十和田南駅から秋北バス小坂町行きで20分、小坂小学校前下車、徒歩3分 |
ドライブで | 東北自動車道小坂ICから約2.7km |
駐車場 | 150台/無料 |
問い合わせ | 康楽館 TEL:0186-29-3732/FAX:0186-29-3219 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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