作家・深田久弥が『日本百名山』の中で「神の工(たくみ)を尽くした名園」と絶賛した大湿原地帯が八甲田山の中腹に広がる毛無岱(けなしたい)。上毛無岱、下毛無岱の2段になって広がり、夏にはワタスゲ、キンコウカなどが咲き誇る別天地。湿原の周辺はアオモリトドマツの森になっています。
深田久弥も絶賛した八甲田山中の大湿原
八甲田山は、11の成層火山からなる火山群の総称。過去6000年間に8回以上噴火した歴史を有しています。
美しい湿原となった毛無岱も、立山火山の弥陀ヶ原(みだがはら)と同様に、実は大岳の噴火溶岩流で形成されています。
上毛無岱へは八甲田ロープウェーの山頂公園駅から酸ヶ湯方面へ徒歩約1時間。
グリーンシーズンの晴れた日なら、ファミリーでの自然観察ハイキングに絶好。
毛無岱の草紅葉の紅葉は、例年、9月下旬〜10月上旬頃が見頃。
紅葉時期の上毛無岱から下毛無岱へと下る階段付近からの眺めは絶景です。
ただし、標高はさほど高くありませんが、緯度の高い東北の山です。
登山の装備、熊除けの鈴、行動食、天候の急変に備えて雨具、レスキューシートなどは必携です。
毛無パラダイスライン コースタイム
八甲田ロープウェー山頂公園駅→(徒歩1時間)→上毛無岱入口→(徒歩30分)→下毛無岱出口→(徒歩1時間)→酸ヶ湯温泉
泊まって納得! 取材班おすすめの八甲田・奥入瀬の宿は!?
八甲田・奥入瀬というと歴史ある温泉もありますが、ひとつの注目は、青い森という美しい森。
その森の雰囲気を活かした国内最大級の洋風ログ木造建築のリゾートホテルが「八甲田ホテル」で、まずはここをぜひ候補に加えてください。
温泉旅館でいえば、やはり「蔦温泉旅館」は候補の筆頭です。
ホテル城ヶ倉などを経営する城ヶ倉観光のグループで、大町桂月ゆかりの宿の歴史を守っています。
「酸ヶ湯温泉旅館」は、国民保養温泉地の栄えある第1号の温泉地で、千人風呂は有名。
最近では温泉力を実感するために湯治棟を選んでの「プチ湯治体験」も人気です。
八甲田ホテル
リゾートホテルですが、実は酸ヶ湯温泉と同一経営。
「八甲田の自然に抱かれた贅沢な時間」というホテルのフレーズは必ずしも誇張ではありません。
温泉や客室からの眺めは一面ブナの森。
夕食は八甲田キュイジーヌと和会席を選択できます。
蔦温泉旅館
蔦七沼散策の拠点に位置する老舗宿。
明治の文豪・大町桂月終焉の地でもありますが、城ヶ倉観光グループの翼下となって、リニューアルが進んでいます。
吉田拓郎の名曲『旅の宿』は、作詞家・岡本おさみが旧別館66号室に泊まった時のイメージを詩に綴ったもの。本館2階の66号室など、昭和レトロな客室から、モダンな特別室まで、好みで選ぶことができます。
酸ケ湯温泉旅館
酸ケ湯といえば総ヒバ造りの大浴場「ヒバ千人風呂」。
混浴が基本ですが、宿泊すれば女性専用時間にのんびりと入浴することも可能です。
もちろん男女別の玉の湯も用意。
部屋も食事も旅館部、湯治部で選択可能です。
旅館部のイ棟(いむね)は部屋食もOK。
毛無岱 | |
名称 | 毛無岱/けなしたい |
所在地 | 青森県青森市荒川 |
関連HP | 青森市公式ホームページ |
電車・バスで | JR青森駅からJRバス十和田湖行き「みずうみ号」で59分、ロープウェイ駅前下車、さらに八甲田ロープウェーで9分、八甲田山頂公園駅下車、徒歩1時間。酸ヶ湯温泉からだと登りとなるので山頂公園駅から下るプランがおすすめ |
ドライブで | 東北自動車道青森ICから約25kmの八甲田ロープウェー駐車場に車を入れロープウェーを利用 |
駐車場 | 250台(八甲田ロープウェー駐車場)/無料 |
問い合わせ | 青森市観光交流情報センター TEL:017-723-4670 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
最新情報をお届けします
Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!
Follow @tabi_mag