青森県十和田市、奥入瀬渓流が最大のカーブを描く景勝地のひとつで、川辺には地名の由来となった巨大な岩を2本のカツラの大木が支える岩屋、石ヶ戸(いしけど)があります。石ヶ戸とは岩屋を意味する方言。その昔、美人盗賊「鬼神のお松」がここを根城に、旅人から金品を奪ったという伝説が残されています。
石ヶ戸を起点に奥入瀬渓流ハイキングに出発!
石ヶ戸は、板状節理で削り取られた溶結凝灰岩の巨石(厚さ1m、長さ10m)が2本のカツラの巨木に支えられ、岩屋を形成するもの。
駐車場と「石ヶ戸休憩所」があり、奥入瀬渓流で唯一の売店で、十和田湖畔の子の口(ねのくち)まで、全長9kmの奥入瀬渓流ハイキングの焼山側入口となっています。
「石ヶ戸休憩所」では、山の芋そば、チャーシューメンなどの軽食、コーヒー(夏は水出しアイスコーヒー)、ソフトクリームなども用意。
近くの渓流は、撮影スポットになっているほか、水遊びにも絶好です。
美人盗賊「鬼神のお松」と石ヶ戸
「鬼神のお松」(きじんのおまつ)は、嘉永6年(1853年)に売り出された歌川豊国の錦絵『見立三幅対』(みたてさんぷくつい)で、石川五右衛門、児来也(じらいや)と並び「日本三大盗賊」のひとりとして描かれる女盗賊。
江戸・深川の遊女で、仙台藩士の立目丈五郎に見初められ、江戸から仙台に移り住んだともいわれますが、架空の人物というのが通説(「日本三大盗賊」の逸話はほとんど史実ではありません)。
石ヶ戸では、行き倒れを装い、介抱してくれた男の隙をみて短刀で刺し殺すという、お松の毒牙にかかった男が48人いたという、具体的な数まで残されていますが、その伝承がいつ頃生まれたのかも定かでありません。
奥入瀬渓流(石ヶ戸) | |
名称 | 奥入瀬渓流(石ヶ戸)/おいらせけいりゅう(いしげど) |
所在地 | 青森県十和田市奥瀬 |
関連HP | 十和田湖国立公園協会公式ホームページ |
電車・バスで | JR青森駅からJRバス十和田湖行き「みずうみ号」で2時間7分、石ヶ戸下車、すぐ |
ドライブで | 東北自動車道小坂ICから約47km |
駐車場 | 50台/無料 |
問い合わせ | 十和田湖国立公園協会 TEL:0176-75-2425 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
泊まって納得! 取材班おすすめの八甲田・奥入瀬の宿は!?
八甲田・奥入瀬というと歴史ある温泉もありますが、ひとつの注目は、青い森という美しい森。
その森の雰囲気を活かした国内最大級の洋風ログ木造建築のリゾートホテルが「八甲田ホテル」で、まずはここをぜひ候補に加えてください。
温泉旅館でいえば、やはり「蔦温泉旅館」は候補の筆頭です。
ホテル城ヶ倉などを経営する城ヶ倉観光のグループで、大町桂月ゆかりの宿の歴史を守っています。
「酸ヶ湯温泉旅館」は、国民保養温泉地の栄えある第1号の温泉地で、千人風呂は有名。
最近では温泉力を実感するために湯治棟を選んでの「プチ湯治体験」も人気です。
八甲田ホテル
リゾートホテルですが、実は酸ヶ湯温泉と同一経営。
「八甲田の自然に抱かれた贅沢な時間」というホテルのフレーズは必ずしも誇張ではありません。
温泉や客室からの眺めは一面ブナの森。
夕食は八甲田キュイジーヌと和会席を選択できます。
蔦温泉旅館
蔦七沼散策の拠点に位置する老舗宿。
明治の文豪・大町桂月終焉の地でもありますが、城ヶ倉観光グループの翼下となって、リニューアルが進んでいます。
吉田拓郎の名曲『旅の宿』は、作詞家・岡本おさみが旧別館66号室に泊まった時のイメージを詩に綴ったもの。本館2階の66号室など、昭和レトロな客室から、モダンな特別室まで、好みで選ぶことができます。
酸ケ湯温泉旅館
酸ケ湯といえば総ヒバ造りの大浴場「ヒバ千人風呂」。
混浴が基本ですが、宿泊すれば女性専用時間にのんびりと入浴することも可能です。
もちろん男女別の玉の湯も用意。
部屋も食事も旅館部、湯治部で選択可能です。
旅館部のイ棟(いむね)は部屋食もOK。
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