鍾乳洞(しょうにゅうどう)は、石灰洞とも呼ばれるように、石灰岩が地下水などによって浸食されて誕生した洞窟です。日本三大鍾乳洞といわれるのは、有名な山口県美祢市の秋芳洞(あきよしどう)、地底湖で有名な岩手県岩泉町の龍泉洞、そして弥生時代の遺跡も見つかっている高知県香美市にある龍河洞の3ヶ所です。
サンゴ礁の海だった地が隆起し、浸食で大鍾乳洞が誕生!
まず注目したいのは、カルスト地形(石灰岩地帯)は、過去に海底だった証(あかし)という点。
しかも暖かい海だったと推測できるのです。
なぜなら、石灰岩の原料は、暖かい海のサンゴだから。
主成分が炭酸カルシウムの石灰岩は隆起して地上に出ると、雨水などにより侵食され、洞窟を生み出し、さらに天井から滴る水でつららのように方解石(炭酸カルシウムを主成分とする鉱物)の沈殿物が成長し、鍾乳石を生み出します。
秋芳洞、龍泉洞、龍河洞が三大鍾乳洞ですが、長さ(総延長)だけを比べれば安家洞(岩手県岩泉町/23700m)、秋芳洞(山口県美祢市/10700m)、大山水鏡洞(鹿児島県知名町/10483)、河内風穴(かわちかざあな/10020m)、内間木洞(岩手県久慈市/6013.8m)がベスト5です。
秋芳洞は2位にランクインしていますが龍河洞は20位以下、龍泉洞は60位以下の規模となってしまいます。
秋芳洞
見学できる洞窟としては日本最長で鍾乳石も見事
所在地:山口県美祢市秋芳町秋吉
総延長:10.7km
洞内温度:四季を通じて17度と一定
洞窟探勝:1kmが観光コースとして一般公開
秋芳洞ふれあい広場(バス停秋芳洞)側からの「上り」コース、黒谷案内所(バス停黒谷)を起点とする「下り」コース、秋吉台案内所(エレベーター入口)からエレベーターで洞窟中央の千畳敷近くに降りるコースの3つの入口・コースを用意
カルスト展望台(徒歩5分)に寄り道し、観覧券を提示して再入洞というプランも可能
貸し出された懐中電灯を片手に岩肌を登っていく「冒険コース」(所要10分~15分)も用意(追加料金が必要)
見どころ:秋芳洞のシンボルともなる15mの巨大な石柱状フローストーン「黄金柱」(こがねばしら)、無数の鍾乳石が天井から下がる大空間五月雨御殿など
備考:国の特別天然記念物、日本の地質百選
龍泉洞
地底湖と地下水で一年中冷え冷え
所在地:岩手県下閉伊郡岩泉町神成1-1
総延長:3631m(全体では5000mにも達すると推定)
洞内温度:通年10度前後というクールゾーン
洞窟探勝:700mを公開
地底湖は8ヶ所発見されていますが、公開されているのは第一地底湖〜第三地底湖の3ヶ所、非公開ですが第四地底湖は深さ120mで透明度は41.5mと透明度日本一
見どころ:ポスター撮影にも使われる絶景スポットの第一地底湖展望台、コース最高所の三原峠、コース終点の第三地底湖など
備考:国の天然記念物、日本の地質百選、地下に湛える水は「龍泉洞地底湖の水」として環境省の名水百選に選定、三陸ジオパークのジオスポット
龍河洞
洞窟内には豪快に滝も落ちる
所在地:高知県香美市土佐山田町逆川1424
総延長:4km
洞内温度:15度〜18度で一定
洞窟探勝:東本洞、西本洞、中央洞の3つの洞窟のうち、東本洞の約1kmが公開
洞内には、鍾乳石や石筍(せきじゅん)、石柱などが発達
見どころ:弥生式土器が鍾乳石と一体化した「神の壺」は、弥生時代の土器が鍾乳石に巻き込まれて取れなくなっているもので、世界中どこにも類例がない状態
備考:国の天然記念物および史跡、日本の地質百選、龍河洞県立自然公園
日本三大鍾乳洞とは!? | |
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