夏は涼しい洞窟探検! 東北おすすめ鍾乳洞9洞

夏は涼しい洞窟探検! 東北おすすめ鍾乳洞9洞

東北の鍾乳洞は「鍾乳洞王国」の岩手県に集中し、日本最長の鍾乳洞・安家洞(あっかどう)、国内第5位の内間木洞、日本三大鍾乳洞の龍泉洞はその代表格です。福島県の田村市滝根町にもカルスト地形が発達し、あぶくま鍾乳洞、入水鍾乳洞があり、入水鍾乳洞はその名の通り膝まで水に浸かる探検コースがあります。

岩手県

内間木洞|岩手県久慈市

所在地:岩手県久慈市山形町小国
総延長:6350m以上(国内第5位)
洞窟内の温度:7度~8度
歴史:古生代末~中生代ジュラ紀の石灰岩層を浸食した鍾乳洞
昭和56年、岩手県史跡調査員・小田島緑郎の調査で、洞内から石器や土器、動物の骨などを発見
概要:7月第2日曜の『内間木洞まつり』と2月第2日曜の『内間木洞氷筍観察会』の年2回だけ一般公開
ニホンテングコウモリ、キクガシラコウモリ、コキクガシラコウモリなど7種のコウモリが生息し(冬期間は、洞内の通路や天井などいたるところで冬眠)、鍾乳洞とともに生息するコウモリや昆虫も「洞内動物群」として岩手県の天然記念物に指定

内間木洞

内間木洞

岩手県久慈市山形町、久慈市の南西部小国地区にある鍾乳洞が、内間木洞。総延長6350m以上で国内第5位の全長を誇る鍾乳洞(洞内は地下水温の影響で7度~8度)。普段は研究や教育目的以外では非公開で、7月第2日曜の『内間木洞まつり』と2月第2日曜

安家洞(あっかどう)|岩手県岩泉町

所在地:岩手県下閉伊郡岩泉町安家日蔭161-1
総延長:2万3702m(日本最長の鍾乳洞)
洞窟内の温度:8度前後
歴史:中生代ジュラ紀のサンゴ礁や石灰質の殻を持つ生物の死骸などでできた石灰岩で形成
概要:主洞は東本洞、西本洞、奥本洞に分けられ1000ヶ所もの支洞が確認され、まさに内部はダンジョンのように複雑
観光洞窟として4月中旬~11月下旬の間、入口から500m地点の千枚皿までが公開、500mの間にも校長先生の泣き所、一の関、二の関、三の関と狭い部分が続くので、入口でヘルメットを貸し出し

安家洞

安家洞

太古は珊瑚礁の海だったという岩手県岩泉町にある総延長2万3702mで、日本一長い鍾乳洞が安家洞(あっかどう)。国の天然記念物に指定されるほか、龍泉洞とともに三陸ジオパークのジオサイトにもなっています。観光洞窟として4月中旬~11月下旬の間、

龍泉洞|岩手県岩泉町

所在地:岩手県下閉伊郡岩泉町神成1-1
総延長:判明している部分は3631m、全体では5000mにも達すると推定
洞窟内の温度:10度前後
歴史:現在のように観光洞になる前は、松明を手に舟を使って洞窟探検
概要:山口県の秋芳洞(あきよしどう)、高知県の龍河洞(りゅうがどう)とともに日本三大鍾乳洞のひとつ
700mを公開、地底湖で有名で、地底湖は8ヶ所発見されていますが、公開されているのは第一地底湖〜第三地底湖の3ヶ所
第四地底湖(未公開)は深さ120mで透明度は41.5mと透明度日本一!
第三地底湖は深さ98mでこちらは見学可能
地下に湛える水は「龍泉洞地底湖の水」として環境省の名水百選に選定

龍泉洞

龍泉洞

岩手県岩泉町、日本三大鍾乳洞のひとつに数えられる龍泉洞(りゅうせんどう)は、洞内の長さは、わかっているだけで3631mで、全体では5000mにも達すると推定されており、「日本の地質百選」、国の天然記念物に指定。地底湖で有名で、地下に湛える水

龍泉新洞|岩手県岩泉町

所在地:岩手県下閉伊郡岩泉町神成1-1
総延長:400m
洞窟内の温度:10度前後
歴史:昭和42年11月16日、岩手県道7号(久慈岩泉線)の拡幅工事の際に洞口 (現在の観光出口)が発見され、翌年、岩泉高校によって基調調査が行なわれ、縄文時代早期の土器が発見された鍾乳洞
概要:発達した鍾乳石、水流の痕跡の残存など貴重な状態で発見されたことから、龍泉新洞科学館として公開保存され、見学が可能。洞窟そのままを科学館とした、世界で初めての自然洞穴科学館

龍泉新洞科学館

龍泉新洞科学館

岩手県下閉伊郡岩泉町、龍泉新洞は龍泉洞と川を挟んだ対岸で、昭和42年、県道拡幅工事に発見された鍾乳洞。発達した鍾乳石、水流の痕跡の残存など貴重な状態で発見されたことから、龍泉新洞科学館として公開保存され、見学が可能。洞窟そのままを科学館とし

滝観洞(ろうかんどう)|岩手県住田町

所在地:岩手県気仙郡住田町上有住土倉298-81
総延長:3635m
洞窟内の温度:9度前後
歴史:明治時代の初期に発見され、大正時代に洞窟探検に入った青年たちによって洞窟の奥に滝があることが判明し、昭和25年、観光洞(大洞岩窟滝)として開業
概要:滝観洞観光センターから入洞しますが、照明も完備する洞内はヘルメットに長靴を借りて入洞するため、探検気分を味わうことが可能
入口から880mのところに高さ60m、周囲50mのホールがあり、大理石の裂け目から落差29mの天の岩戸の滝が落下していて、これが滝観洞の名の由来
昭和52年公開の映画『八つ墓村』(監督:野村芳太郎、主演:萩原健一、渥美清=金田一耕助)のロケ地

滝観洞

滝観洞

岩手県気仙郡住田町、釜石線の上有住駅(かみありすえき)の駅前にある鍾乳洞が滝観洞(ろうかんどう)。確認されただけで総延長3635mで、入口から880mのところに高さ60m、周囲50mのホールがあり、大理石の裂け目から落差29mの天の岩戸の滝

船久保洞窟|岩手県紫波町

所在地:岩手県紫波郡紫波町船久保百沢
総延長:176m
洞窟内の温度:12度前後
歴史:昭和3年の冬、地元の猟師が発見
概要:入洞にあたっては、赤沢公民館長に連絡をして、見学の可否の確認が必要

船久保洞窟

船久保洞窟

岩手県紫波郡紫波町船久保、岩手県道25号(紫波江繫線)沿いにある奥行176mの鍾乳洞が、船久保洞窟。洞内には美しい鍾乳石、石筍が下がるほか、縄文人が暮らした住居跡の50平方メートルのホールからは、縄文時代中期〜晩期の土器、石斧、石鏃、骨角器

幽玄洞|岩手県一関市

所在地:岩手県一関市東山町長坂東本町154-1
総延長:500m
洞窟内の温度:13度前後
歴史:昭和55年に発見
概要:3億5000万年前(古生代中期)の地層に発達する「日本最古の鍾乳洞」といわれ、自然洞窟博物館としてウミユリの萼(がく)などの化石、鍾乳石、地底湖などを見学可能

幽玄洞

幽玄洞

岩手県一関市東山町、猿沢川・岩手県道106号(前沢東山線)沿いにある鍾乳洞が、幽玄洞。3億5000万年前(古生代中期)の地層に発達する「日本最古の鍾乳洞」といわれ、自然洞窟博物館としてウミユリの萼(がく)などの化石、鍾乳石、地底湖などを見学

福島県

入水鍾乳洞|福島県田村市

所在地:福島県田村市滝根町菅谷大六89-3
総延長:900m
洞窟内の温度:15度
歴史:昭和2年8月25日に地元の薬剤師・蒲生明を中心に、佐藤留男、鈴木菊意、富岡一男によって発見、探検された鍾乳洞
概要:洞窟探検のコースは、ABCの3コースあり、入口から150mまで所要30分のAコースは楽ですが、そこから450mのBコースと最後の300mのCコースは、ハードな探勝
Bコース(450m)とCコース(プラスして300m)の部分の洞内はほとんど手が加えられていないため、半ズボンとゴムぞうりなどの装備が必要
Bコースは所要1時間、Cコースは所要1時間30分。
Cコースは案内人が必要(5人単位で案内人を付け)

入水鍾乳洞

福島県田村市滝根町、国の天然記念物に指定される入水鍾乳洞は本格的洞穴探検の鍾乳洞。洞穴は全長900mで、入口から最奥部までA、B、Cの3コースに分ていますが、細長い1本の穴。入口から150mまで所要30分のAコースは楽ですが、そこから450

あぶくま洞|福島県田村市

所在地:福島県田村市滝根町菅谷東釜山1
総延長:3300m、公開部分は600m
洞窟内の温度:13度
歴史:昭和44年に釜山採石場で石灰岩採掘中に発見
概要:照明完備の観光洞で、「滝根御殿」、「竜宮殿」、日本の鍾乳洞で初めて舞台演出用の調光システムが導入された「月の世界」などを探勝
例年6月中旬〜7月上旬頃には入口周辺のあぶくま洞園地にラベンダー園を開園

あぶくま洞

大滝根山(標高1193m)の山麓に、ぽっかりと口を開けるのが、8000万年の歴史遺産「あぶくま洞」。昭和44年に釜山採石場で石灰岩採掘中に発見された大鍾乳洞です。鍾乳石や石筍(せきしゅん)の数、種類の豊富さでは東洋一とも。ひとつの洞穴が3層

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