サイトアイコン ニッポン旅マガジン

千葉県立関宿城博物館

千葉県立関宿城博物館

千葉県野田市関宿三軒家、関宿城(せきやどじょう)本丸跡の北東500mのスーパー堤防上に建つ利根川・江戸川の舟運で栄えた関宿や、関宿城の歴史を解説する県立の博物館が、千葉県立関宿城博物館。関宿は、利根川舟運を掌握する重要拠点だった地で、利根川・江戸川の河川交通などを常設展示しています。

利根川・江戸川の舟運で栄えた関宿を学ぶ

利根川水系の要衝でもある関宿は、戦国時代末期には、関東を掌握する北条方と関東への進出を目論む上杉方の間で激しい争奪戦(関宿合戦)が繰り広げられた地。
江戸時代には関宿藩の藩庁が置かれ、老中を輩出する久世家など譜代大名が藩主となっています。

寛文11年(1671年)には当初の天守が破損したため、時の藩主・小笠原政信(おがさわらまさのぶ)は、江戸城富士見櫓を模した御三階櫓(おさんかいやぐら)が建設していますが、その場所は河川改修などでかつての遺構は残されていません。

千葉県立関宿城博物館の建物は、この御三階櫓を模した模擬櫓。
つまりは、江戸城富士見櫓(江戸城の「代用天守」)にも似ているということに。

館内では、常設展示で「房総の河川」(近世の利根川・江戸川、近現代の利根川・江戸川)、「河川交通と伝統産業」を詳しく解説。
利根川水系で活躍した高瀬舟(高瀬舟には最大で1300俵もの米を積載)、利根川の東遷事業と関宿の役割などが詳しく解説され、「江戸時代の利根川ハイウェー」とも呼べる銚子~関宿~江戸への輸送ルート(内陸水運路)の重要性がよくわかります。

企画展示室では中世の関宿、関宿藩誕生、久世の治世、動乱の幕末をメインに、「関宿藩と関宿」を紹介しています(企画展の開催中は、多目的室で展示)。

後北条氏第2代当主・北条氏康(ほうじょううじやす)は武田氏・今川氏との間に甲相駿三国同盟を結んで関東を支配し、上杉謙信を退けるあたり、関宿は、「抑彼地入御手候事者、一国を被為取候ニも不可替候」(喜連川足利家に伝来の『喜連川文書』)、つまり、関宿が一国に匹敵する戦略的拠点であると考えていたのです。
重油拠点であることは、江戸時代にも変わらず、久世家など譜代大名が藩主となっているのも、拠点である証し。

4階は展望室になっていて、富士を望むことから「関東の富士見百景」に選定。
野田市では玉葉橋(ぎょくようばし)が「関東の富士見百景」で、例年12月20~22日の冬至前後には富士山頂に太陽が沈むダイヤモンド富士を眺めることができます。

ちなみに関宿城本丸跡は、南西500mほどの江戸川河川敷にあり、関宿城の石碑が立っています。
また、千葉県立関宿城博物館の西側、江戸川頭流部には、土木遺産にも選定の関宿水閘門(関宿水門・関宿閘門)があります。

千葉県立関宿城博物館
名称 千葉県立関宿城博物館/ちばけんりつせきやどじょうはくぶつかん
所在地 千葉県野田市関宿三軒家143-4
関連HP 千葉県立関宿城博物館公式ホームページ
電車・バスで 東武川間駅から朝日バス境町行きで32分、関宿城博物館下車
ドライブで 東北自動車道加須ICから約21.6km
駐車場 100台/無料
問い合わせ 千葉県立関宿城博物館 TEL:04-7196-1400/FAX:04-7196-3737
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

【知られざるニッポン】vol.23 東京人なら知っておきたい! 「利根川東遷事業」

徳川家康とその側近は、江戸入府後に湿地帯となっていた江戸の町周辺の治水事業に乗り出します。利根川は武蔵国北部では細かく乱流し、綾瀬川や荒川とも合・分流していて、洪水ごとに流路を変えるという状況だったのです。そこで考えだした大規模工事が「利根

江戸城 富士見櫓(皇居東御苑)

富士見櫓(皇居東御苑)は、江戸城本丸東南隅に位置し、江戸城遺構として残る唯一の三重櫓。現存する三重櫓は、1657(明暦3)年の明暦の大火(振袖火事)での焼失後、1659(万治2)年の再建。どの角度から見ても同じような形に見えることから、「八

関宿城

千葉県野田市関宿町、天守を模した3層4階建ての千葉県立関宿城博物館の南西500mほどの江戸川河川敷一帯が、関宿城(せきやどじょう)。関宿城の城跡は河川改修のため、3分の2が江戸川土手の下に隠され、関宿城本丸跡に関宿城址の石碑が立っています。

関宿水閘門(関宿水門・関宿閘門)

茨城県猿島郡五霞町(ごかまち)にある利根川から江戸川へ入る水量を調整する関宿水門(せきやどすいもん)、そして船の運航のために水位を調整する関宿閘門(せきやどこうもん)の総称が関宿水閘門。利根川改修事業のシンボル的存在で、土木学会推奨土木遺産

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!

モバイルバージョンを終了