千葉県南房総市富浦地区の北、浦賀水道に突き出した岬が法華崎(ほっけざき)。日蓮聖人が岡本(豊岡)の湊から鎌倉へと渡海の際、ここで法華経を唱えたことに由来する岩礁の岬で、北の南無谷浜側からも、南の豊岡浜側からも車道は通じておらず、先端部は岩礁沿い歩く法華崎遊歩道のみとなっています。
ゴールデンウィークにはダイヤモンド富士も
建長5年(1253年)、この岬で、日蓮は着ていた袈裟(けさ)を松に掛け、海の鎮まり、渡海の安全と法華経の布教を祈ったといい、岬の高台には袈裟掛けの松跡の碑(明治31年建立/松は枯死)が立っています。
岬の海岸沿いに付けられた法華崎遊歩道からは大房岬や南無谷海岸、すぐ沖の雀島(クロサギ営巣地)、船虫島を眺望するほか、快晴ならば富士山も眺望。
ゴールデンウィークには、ちょうど富士山頂に日が沈むダイヤモンド富士を眺めることもできます。
起点は、北側の南無谷浜(南無谷浜海水浴場)の駐車場を利用するのが便利。
周辺の磯は、クロダイ、メジナ、メバル、カワハギ、アオリイカの好釣り場。
また、海岸にはミヤコグサ、ハマヒルガオ、ハマゴウなど海浜植物も生育。
台風後などで通行止めのこともあるので探勝にあたっては事前に問い合わせをした方が確実(平成26年10月の台風18号により法華崎遊歩道に落石・土砂崩れがあり、復旧に時間を要したことがあります)。
北の南無谷浜側から歩けば、すぐに海蝕洞を利用したトンネルもあり、B級スポットとして注目を集めていましたが、この台風後の崩落でトンネルは完全に撤去され消滅しています。
高波、落石などに十分注意して探勝を。
なお、南房総市富浦町南無谷(なむや)にある妙福寺は、三浦半島へと渡海の際、風待ちで滞在した泉沢権頭太郎の邸宅跡で、日蓮聖人ゆかりの寺です。
画像協力/南房総市
法華崎遊歩道 | |
名称 | 法華崎遊歩道/ほっけざきゆうほどう |
所在地 | 千葉県南房総市富浦町原岡地先 |
電車・バスで | JR富浦駅から徒歩20分 |
ドライブで | 富津館山道路富浦ICから約3.5km |
駐車場 | 豊岡海水浴場駐車場(10台/無料)、南無谷浜海水浴場駐車場(50台/無料) |
問い合わせ | 南房総市観光プロモーション課 TEL:0470-33-1091 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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