遠州鉄道(静岡県浜松市、新浜松駅〜西鹿島駅)は2024年9月28日(土)、2000形電車の増備車となる「2009号」編成(モハ2009+クハ2109)の営業運転が始まりました。昭和58年〜平成8年に投入された1000形とほぼ同デザインで、40年以上変わらぬ姿で、運転席部分には昭和レトロな「パノラミックウインドウ」も健在。
「東海形電車」と同じ「パノラミックウインドウ」採用
遠州鉄道の2000形は、平成11年4月5日に投入された新車両ですが、「21世紀に向けての新型高性能電車」の意味が込められた2000形。
VVVFインバータ制御を採用など、遠鉄で初となる制御システム搭載などの変更はあるものの、デザインはほぼ同じです。
2021年に2008編成が投入、さらに2024年9月28日(土)に2009号編成の運転が始まりましたが、デザインは昭和58年と同じで、昭和レトロな「パノラミックウインドウ」も健在です。
「パノラミックウインドウ」は、昭和32年に登場した名鉄5200系、国鉄153系電車(「東海形電車」)に採用され、昭和に一世風靡したスタイルです。
車両を連結した際に乗客が移動できる貫通扉(かんつうとびら)を備えた貫通型の先頭車両の視界を広げるというメリットもあって、名鉄5200系も貫通型、準急・急行用の電車として登場の国鉄153系電車(「東海形電車」)、近郊形電車(湘南電車、横須賀線)の国鉄113系電車(昭和38年)、国鉄急行形交直流電車の国鉄457系電車(昭和33年)も貫通型でした。
この東海道線の湘南カラーをまとった「東海形電車」は話題を呼び、急行形気動車(ディーゼルカー)の国鉄キハ58系(昭和36年)、北海道向けのキハ56系気動車(昭和36年)、特急用のキハ80系気動車(昭和35年)、キハ40系気動車(昭和52年)などにも「パノラミックウインドウ」が採用されています。
私鉄でも京王の特急用としてデビューした5000系(昭和38年)、営団地下鉄の日比谷線に導入された3000系(昭和36年、日本初のATC導入車)も「パノラミックウインドウ」ですが、私鉄にはあまり広がることはありませんでした。
そんななかで、昭和レトロな「パノラミックウインドウ」を頑なに守るのが遠州鉄道です。
製造元の日本車輌製造が鋼鉄の車両製造を全面的に中止しているので、増備2009デビュー以降の新型車両が何になるのかも、鉄道ファンには話題になっています。
デザインは40年前と同じ! 昭和レトロな「パノラミックウインドウ」も健在 | |
関連HP | 遠州鉄道公式ホームページ |
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