かつて国鉄(現・JRグループ)を中心に、全国を走った急行列車。乗車にあたっては「急行券」が必要だった優等列車は、今やごくわずかに。関東地方では秩父鉄道が、「急行秩父路」を運転。羽生駅・熊谷駅〜影森駅・三峰口駅を結ぶ急行で、乗車にあたっては乗車券のほかに、「急行券」(大人210円、小人110円)が必要です(全車自由席)。
ローカル私鉄ならではの急行列車で、シートはボックス席
格安の急行料金、しかも野上駅~長瀞駅間、秩父駅~影森駅間のみを利用する場合は、「急行券」は不要というローカル私鉄ならではの急行列車。
平日は、熊谷駅〜影森駅に2往復、土・休日には上りが羽生駅〜三峰口に2本、下り影森駅〜羽生駅に2本運転され、羽生駅〜三峰口を通しで乗車すると所要1時間40分ほど。
秩父鉄道唯一の速達列車で朝夕に運転されるため、平日はビジネス急行的な色彩も。
使用される車両は、秩父鉄道6000系電車で、西武鉄道の新101系の改造車。
もともとは通勤電車のロングシートでしたが、改造時に「ニューレッドアロー」(西武10000系電車)のクロスシートに変更され、もとあった車両中央部の扉を廃止し、2扉の急行仕様に変貌しています。
シートは、車幅の関係から回転させることができず、「リクライニング機能付きボックスシート」という不思議な構造に。
「急行券」は、羽生駅、熊谷駅、武川駅、ふかや花園駅、寄居駅、長瀞駅、秩父駅、御花畑駅、影森駅、三峰口駅で販売。
JRグループの昼行定期の急行列車は、平成21年3月のダイヤ改正で急行「つやま」(岡山駅〜津山駅)の廃止で全廃に。
夜行急行列車もJR北海道で最後まで走った急行「はまなす」(青森駅〜札幌駅)が、平成28年3月26日の北海道新幹線開業で廃止になり、こちらも全廃に。
秩父鉄道で有料急行が走るのは、特急がなく、唯一の速達列車のため。
ビジネス利用も多いため、手頃な急行料金が設定されているのです。
私鉄の有料急行も、秋田内陸縦貫鉄道の急行「もりよし」(角館駅〜鷹巣駅)、えちごトキめき鉄道の国鉄形観光急行(直江津駅〜市振駅)、大井川鐵道の「SLかわね路号」、「ELかわね路号」(新金谷駅〜川根温泉笹間渡駅、春は「SLさくら号」・「ELさくら号」、新金谷〜家山間のみの「南アルプス号」も運転)だけで、関東圏では「急行秩父路」が唯一の有料急行列車になっています。
今や希少! 「有料急行」が秩父鉄道で運行! | |
関連HP | 秩父鉄道公式ホームページ |
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