北九州市の幅数百m、長さ10kmの細長い入江状の洞海湾(現在は北九州港に)に架かる長大橋が国道199号の若戸大橋。昭和37年9月27日に供用開始し、当時は「東洋一の夢の吊り橋」で、観光客も訪れる高度成長のシンボル的な存在にもなっていました。北九州市道路公社が管理する有料道路でしたが平成30年12月1日に無料化されています。
開業翌年の橋は当時の人気映画シリーズ『社長漫遊記』にも登場!
計画・開業時に石炭の積み出しで繁栄する若松市と戸畑市を結ぶ橋のため、若戸大橋という名に(小倉市・門司市・戸畑市・八幡市と合併して北九州市が誕生したのは開通翌年の昭和38年2月10日)。
開通当時は歩行者用の部分に展望台が設置されるほどの人気ぶりで、昭和38年1月3日公開の森繁久彌が社長を演じる東宝の人気シリーズ『社長漫遊記』第16作(美人かき分け浮気旅! 63年型デラックス大型喜劇/監督:杉江敏男)にも登場。
昭和39年公開の『宇宙大怪獣ドゴラ』(主演:夏木陽介、監督:本多猪四郎)では、公開前々年に開通したばかりの若戸大橋がドゴラによって破壊されるというシーンも登場しています。
筑豊炭田の石炭積出港として発展する若松港に架橋された『宇宙大怪獣ドゴラ』は、まさに高度成長を遂げる日本のシンボルだったのです。
関門海峡に関門橋が架かる昭和48年11月14日(開通)までは、東洋一の長大橋を誇っていました。
当初は歩道も併設されていましたが(開通当初は歩道も有料)、その後、道路需要の増大で、車線を4車線化したことから昭和62年に歩道を廃止、同時に客用エレベータと展望台も撤去されています。
2022年9月27日には60周年を迎えます。
現在は若戸トンネル(新若戸道路)が開通し、慢性的な渋滞も解消されましたが、橋の下を通る若戸渡船(北九州市営若戸航路)の利用者が半減するということにもなり、学生などの利用が多い若戸渡船の存続が危ぶまれています。
全長2.1km、主塔の高さは海面83m、主塔間の距離は367m、主ケーブルは1本700m、直径は508mmあります。
海面から橋までの桁下高は、満潮時の海面で40mあり、大型の貨物船が出入りすることが可能な構造になっています。
ちなみに、若戸大橋の架橋は戦前に計画され、当初は国防上の理由で海底トンネルを掘削する予定でしたが、戦時下で計画が中断され、戦後、当時の日本の技術を集約した長大橋となって復活しています。
若戸大橋 | |
名称 | 若戸大橋/わかとおおはし |
所在地 | 福岡県北九州市戸畑区北鳥旗町・若松区本町1-15-21 |
関連HP | 北九州市観光情報サイト |
ドライブで | 北九州都市高速若戸大橋口ランプから約1.2km |
問い合わせ | 北九州市道路公社 TEL:093-881-2183 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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