福岡県嘉麻市にある墳丘長68mの前方後円墳が、沖出古墳(おきでこふん)。石室や盗掘坑から九州の古墳では唯一となる3種類の石製腕飾り(鍬形石・車輪石・石釧)が出土したほか、2例目となる船の絵を線刻した埴輪も見つかっています。福岡県の史跡に指定されています。
ヤマト王権と密接な関係を有した首長墓
墳丘は前方部が2段、後円部3段で、葺石が配され、またテラスには壺形埴輪、円筒埴輪、朝顔形埴輪、家形埴輪が並んでいました。
埋葬施設は、後円部の竪穴式の石室で、砂岩でできた全長2.8m、高さ77cmの割竹形石棺を安置。
4世紀末、遠賀川に向かって延びる標高40mの丘陵の先端部分に築かれた前方後円墳で、3種類の石製腕飾りは、畿内のヤマト王権から与えられたものだと推測でき、ヤマト王権と関係性が深い首長の墓だと考えられています。
周辺1.5haは、沖出古墳公園として整備され、墳丘に敷かれていた石や埴輪が復元されているほか、ガラス越しに舟形石棺を見学可能。
嘉穂地方(かほちほう)の古墳時代前期の古墳には、沖出古墳(嘉麻市)のほかに、三角縁神獣鏡を出土した忠隈古墳(ただくまこふん/飯塚市)があり、ヤマト王権との関係性が推測されています。
古墳時代中期の古墳には河津古墳、山の神古墳、小正西古墳(おばさにしこふん/飯塚市)、古墳時代後期の古墳には寺山古墳(飯塚市)、装飾古墳として有名な王塚古墳(桂川町/特別史跡)などがあり、円墳や横穴墓などからなる群集墳が多数出現しています。
沖出古墳 | |
名称 | 沖出古墳/おきでこふん |
所在地 | 福岡県嘉麻市漆生533 |
関連HP | 嘉麻市公式ホームページ |
駐車場 | 9台/無料 |
問い合わせ | 嘉麻市教育委員会生涯学習課 TEL:0948-62-5720 |
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