福岡県小郡市、小郡市役所の北、西鉄天神大牟田線沿いにあるのが、小郡官衛遺跡(おごおりかんがいせき)。7世紀後半に創建された筑後国御原郡(ちくごのくにみはらぐん)の官衛(かんが=律令時代の郡役所)の跡。昭和42年に発見され、国の史跡に指定されています。
7世紀後半に築かれた御原郡の郡衙(ぐんが)
昭和42年、溝の中から1000本以上の鉄製の鏃(やじり)が出土し、その後の調査で、官衛(郡衙=郡役所)の跡であることがわかりました。
郡役所は創建された7世紀後半、中心となる7世紀末〜8世紀前半の第2期、8世紀中頃〜の3期に区分され、第2期には溝に囲まれた一辺240mの区画の中に、政務を司る庁舎、役人の宿舎となる官舎、税として取り立てた米を蓄える倉庫が並んでいました。
近年、その規模が大きいので、単なる郡衙ではなく、軍事施設等、別の役割を持った役所という説も出ています。
朝鮮半島の白村江の戦い(はくすきのえのたたかい)で、百済復興を目指す日本・百済遺民の連合軍が唐・新羅連合軍に敗れたのは天智2年8月(663年10月)なので、そうした国際情勢が反映していたのだとも推測できます(北九州から瀬戸内海には数多くの古代朝鮮式山城が築かれ、唐・新羅連合軍の侵攻に備えています)。
遺跡全体では5.1haという広大なものですが、国の史跡となるのは2.84haで、そのうち、1.76haが遺跡公園として整備され、トイレと展望台が築かれています。
小郡官衛遺跡 | |
名称 | 小郡官衛遺跡/おごおりかんがいせき |
所在地 | 福岡県小郡市小郡向築地 |
関連HP | 小郡市公式ホームページ |
電車・バスで | JR小郡駅から徒歩10分 |
ドライブで | 長崎自動車道鳥栖ICから約4.5km |
問い合わせ | 小郡市文化財課 TEL:0942-72-2111 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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