岐阜県多治見市笠原町、タイルの表面に釉薬(ゆうやく)が施されている施釉磁器モザイクタイル発祥の地に建つミュージアムが、多治見市モザイクタイルミュージアム。1万点を超えるコレクションを収蔵し、生活の中に根付くモザイクタイルを紹介しています。
多治見の施釉磁器モザイクタイルの歴史を知る
日本のモザイクタイルは、明治43年、名古屋市・鶴舞公園で開催された『第10回関西府県連合共進会』で常滑焼(とこなめやき=日本六古窯のひとつ)の産地・常滑の伊奈初之烝(いなはつのじょう=伊奈製陶、INAX、現・LIXILの祖)が日本初の陶器モザイクを出品したのが始まり。
美濃では、美濃焼の歴史を背景に、明治44年、土岐郡多治見町(現・多治見市)の長谷川淳一が、登り窯を使って疑石タイル(磁器質タイル)を焼成したのが始まり。
大正15年、加藤重保が多治見町に設立した日本建陶が無釉モザイクタイルを製造しています。
昭和6年、土岐郡笠原町(現・多治見市笠原町)の山内逸三(やまうちいつぞう)が釉薬を施したテラコッタ(大型のタイル)の実用化に成功し、釉薬タイルの歴史がスタートしています。
モザイクタイルは、建物が壊される際に、同時に破却されることがほとんどですが、収蔵されるモザイクタイルは、建物の解体の情報を聞きつけてはタイルを譲り受け、閉鎖されるタイル工場からタイルのサンプルを引き取るといった地道な活動で集められたもの。
多治見市のタイル産業を俯瞰的に眺める貴重なミュージアムになっています。
4階に展示されるモザイクタイル画の壁面、銭湯の絵タイル、洗面所や風呂場などのモザイクタイルは、まさに昭和レトロな雰囲気。
3階展示室は、多治見のモザイクタイルの製造工程、歴史を知ることができるコレクションを展示。
併設のギャラリーでは、タイル産業や歴史、アートなどに関する独自のテーマを設けて、年間3回程度の企画展示が行なわれています。
2階展示室は一般財団法人たじみ・笠原タイル館が直接管理する産業振興のエリアで、生活の中でのモザイクタイルの活用を、16のシーンに分けて紹介。
1階にはタイルを自由に貼って、オリジナル小物を制作する「体験工房」(ワンコイン工作、貼子体験)とタイルを使ったアクセサリーや箸置きなどを販売するショップがあります。
多治見市モザイクタイルミュージアム | |
名称 | 多治見市モザイクタイルミュージアム/たじみしもざいくたいるみゅーじあむ |
所在地 | 岐阜県多治見市笠原町2082-5 |
関連HP | 多治見市モザイクタイルミュージアム公式ホームページ |
電車・バスで | JR多治見駅から東鉄バス笠原線で17分、モザイクタイルミュージアム下車 |
ドライブで | 中央自動車道多治見ICから約8km |
駐車場 | 笠原中央公民館共同駐車場を利用 |
問い合わせ | 多治見市モザイクタイルミュージアム TEL:0572-43-5101/FAX:0572-43-5114 |
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