群馬県神流町中里地区から秩父へ抜ける国道299号沿いの瀬林の漣岩(せばやしのさざなみいわ=群馬県天然記念物瀬林の漣痕)は、昭和28年道路拡張工事の際に露出した巨岩ですが、その後の調査で、大小2種類の恐竜が歩いた跡が穴だと判明し、昭和60年4月3日に日本初の「恐竜の足跡」と発表されています。
国道299号に恐竜の足跡の残る岩が!
漣痕(れんこん)とは、波によってできた海底の紋様が化石になったもの。
瀬林の漣痕は、1億2000万年前の白亜紀に河口の三角州の砂浜に波が打ち寄せる情景を今に残す岩なのだとか。
漣痕のある地層は国道299号に沿って、埼玉県小鹿野町から志賀坂峠を越え、群馬県神流町、上野村を通り、上信国境の十石峠を越えて長野県佐久穂町に至る全長40km、幅2km〜4kmの凹部、山中地溝帯(さんちゅうちこうたい)の瀬林層にあたります。
恐竜が柔らかな泥や砂の上を歩くと足跡が残ります。
できた足跡の上にさらに砂や泥がたまります。
すると足跡は一見すると消えてなくなったかのように見えますが、砂や泥の下にはちゃんと足跡が残っているのです。
1億年以上の時間を経て、砂や泥は石化し、足跡が化石となり、褶曲により地層は崖となり、侵食により砂や泥の地層をはがして、恐竜足跡が姿を表すという、気の遠くなるようなメカニズムで、恐竜の足跡は現代に現れているのです。
周辺では、恐竜の骨や歯なども見つかっており、中核施設の神流町恐竜センターを中心にした一帯を「恐竜王国中里」と称しています。
漣痕よりも恐竜の足跡の方が有名になったため(認定される以前は「恐竜の足跡」というと笑われたそうですが)、旧中里村時代に、群馬県の指定を恐竜の足跡へと変更するよう協議が行なわれましたがが、県側が納得せず、群馬県は瀬林の漣痕、神流町は恐竜の足跡という二重指定になっているのです。
ちなみに、足跡を残した恐竜は、山中地溝帯からサンチュウリュウ(山中竜)と通称されていますが、白亜紀前期の恐竜でオルニトミムス類(ダチョウ恐竜)だと推測されています。
恐竜の足跡(瀬林の漣痕) | |
名称 | 恐竜の足跡(瀬林の漣痕)/きょうりゅうのあしあと(せばやしのれんこん) |
所在地 | 群馬県多野郡神流町神ヶ原 |
関連HP | 神流町公式ホームページ |
電車・バスで | JR群馬藤岡駅、またはJR新町駅から日本中央バス上野村ふれあい館、しおじの湯行きで古鉄橋下車、徒歩45分 |
ドライブで | 上信越自動車道下仁田ICから約39km。または、関越自動車道本庄児玉ICから約47km |
駐車場 | 10台/無料 |
問い合わせ | 神流町教育委員会事務局 TEL:0274-57-2111/FAX:0274-57-3399 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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