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金島の浅間石

金島の浅間石

群馬県渋川市、上越新幹線が吾妻川を渡る橋梁近くにあるのが、金島の浅間石。群馬県の天然記念物に指定される巨岩は、天明3年(1783年)の浅間山の大爆発の際、鎌原観音堂(かんばらかんのんどう)で有名な鎌原村を埋め尽くした泥流によって、川沿いに運ばれてきたもの。

天明大噴火で生じた浅間押し(泥流)が運んだ巨岩

高さ4.4m、上面の直径は東西15.75m、南北10m、周囲は43.2mという巨岩で、吾妻川沿いを走った浅間押し(泥流)で流されてきたと伝えられています。
浅間山麓の鎌原村(現・嬬恋村)で生じた「鎌原土石なだれ」は、ダムなどを形成することなく天明泥流となって吾妻川沿いに下り、吾妻川から利根川を流下し、千葉県の銚子で太平洋に達するほどでした(関宿からは江戸川に流入し、江戸湾にも達しています)。

朝四つ時に発生した泥流は、25kmほど離れた上湯原(群馬県長野原町川原湯)には1時間後に到達するスピードで、6時間後には利根川の赤岩渡船の場所まで押し寄せています。

天明の大噴火で、当時の川島村は168軒中127軒の家屋が、吾妻川の泥流で流され、 113名もの死者を出す大きな被害を生み出しています。
川島村も、11時前には到達しているので、凄まじいスピードがわかります。

しかも泥流の高さも長野原で55mという水位が推定され、記録の上でも瑠璃光薬師堂では57mにも達しています。
川島村でも泥流の水位は23mと推測されており、秒速8mほどのスピードで巨大な石をゴロゴロと流しながら流下していったのです。

火山災害の恐ろしさを今に伝える「金島の浅間石」ですが、今後、想定される浅間山、そして富士山の爆発などでも融雪型火山泥流が想定されているので、単なる歴史と済ませるわけにはいかない巨岩といえるのです。

ちなみに、「金島の浅間石」ですが、浅間山の山頂から63.0km地点まで流下したことになります。

金島の浅間石
名称 金島の浅間石/かなしまのあさまいし
所在地 群馬県渋川市川島596
関連HP 渋川市公式ホームページ
電車・バスで JR金島駅から徒歩15分
ドライブで 関越自動車道渋川伊香保ICから約9.5km
問い合わせ 渋川市文化財保護課 TEL:0279-52-2102/FAX:0279-52-4008
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

鎌原観音堂

天明3年(1783年)旧暦7月8日の浅間山の大爆発で、高台にあるため奇跡的に土石なだれの被害を免れ、多くの村人を救ったのが、群馬県嬬恋村の鎌原観音堂(かんばらかんのんどう)。階段を上り観音堂まで避難できた村人、93名のみが助かり、477名が

岩神の飛石(岩神稲荷神社)

群馬県前橋市の群馬大学病院近くにある岩神稲荷神社は、その御神体が周囲60mという巨岩。実はこの岩神の飛石と呼ばれる巨岩、マグマのしぶきが火口の周囲に積み重なってできたもので、本来、火山から遠く離れた場所には存在しないもの。平成25年度から平

 

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