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萌黄の館(旧シャープ住宅)

萌黄の館(旧シャープ住宅)

兵庫県神戸市中央区、神戸北野異人館街にある代表的な洋館が萌黄の館(もえぎのやかた)。明治36年、アメリカ総領事ハンター・シャープ(Hunter Sharp)の邸宅として建てられたもので昭和19年に神戸電鉄社長・小林秀雄の住宅となった異人館。1階の開放型ベランダと玄関ホールは必見。2階のベランダからは神戸港を眺望。

アメリカ総領事ハンター・シャープの旧邸宅

2階のベランダ。幾何模様のガラス窓から神戸港を眺望

風見鶏の館の西に位置する典型的コロニアル様式の建物。
設計は、旧ハッサム住宅(国の重要文化財)とともに、明治21年に来日した英国王立建築家協会正会員であるアレクサンダー・ネルソン・ハンセル(Alexander Nelson Hansell)と推測されています。
木造2階建て、下見板張りの異人館で、「小林家住宅(旧シャープ住宅)」として国の重要文化財に指定。

1階の開放型ベランダとともに玄関ホールがこの建物の重要な見どころ。
1階には玄関ホールの左手に応接室、右手に食堂、そして接客や日常生活の公的な部屋が配され、2階には寝室、化粧室、子供部屋などがあります。
暖炉のマントルピース(暖炉前飾り)、タイルの意匠、壁紙など細部に至るまで手の込んだ意匠になっています。

アメリカ総領事ハンター・シャープ(Hunter Sharp)は、アメリカ東部のノース・カロライナ州ハートフォード生まれ。
明治19年に来日し、神戸領事館の総領事に就任し、明治33年に神戸で結婚し、この邸宅を建てています。
神戸を去った後には、モスクワ、リオン、エジンバラの領事を勤めています。
その後、ドイツ人が居住し、昭和19年に小林秀雄の住宅となり、昭和53年まで居住していました。
家具には、小林家の調度そのままのものがあります。

長らく「白い異人館」と呼ばれていましたが、昭和62年の修理で建築当時の淡いグリーンに復原され、「萌黄の館」という名称が付けられています(全国各地の洋館は、戦時下に暗い色に着色されるなど、何度か塗り替えられています)。

平成7年の阪神・淡路大震災の際に、3本のレンガ積み煙突が崩落していますが(その後復元)、庭園の一角には落下した煙突がそのままの姿で展示されています(庭園を含めて重要文化財に指定)。

一帯は、神戸市北野町山本通伝統的建造物群保存地区に指定されていますが、萌黄の館(旧シャープ住宅)は風見鶏の館(旧トーマス住宅)、ラインの館(旧ドレウェル邸)とともにその代表的な建築物になっています。

1階の居間。ベイウィンドー(出窓)が張り出しています
萌黄の館(旧シャープ住宅)
名称 萌黄の館(旧シャープ住宅)/もえぎのやかた(きゅうしゃーぷじゅうたく)
所在地 兵庫県神戸市中央区北野町3-10-11
関連HP 神戸観光局公式ホームページ
電車・バスで JR三ノ宮駅・阪神三宮駅・阪急三宮駅から徒歩15分
ドライブで 阪神高速道路神戸線京橋ランプから約2km
駐車場 周辺の有料駐車場を利用
問い合わせ 萌黄の館(旧シャープ住宅) TEL:078-855-5221
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

ラインの館(旧ドレウェル邸)

兵庫県神戸市中央区、神戸北野異人館街にある洋館のひとつがラインの館。大正4年に建てられた旧ドレウェル邸を再生した異人館で、ベランダやよろい戸など明治時代の洋館の様式を色濃く受け継いでいます。外壁の横板を少しずつ重なり合うように取り付けた、下

風見鶏の館(旧トーマス住宅)

兵庫県神戸市の異人館が建ち並ぶ神戸市北野町山本通重要伝統的建造物群保存地区の中心的な建物が神戸市が管理する風見鶏の館(旧トーマス住宅)。重要文化財に指定された風見鶏の館は、ドイツ人貿易商ゴッドフリード・トーマス(Gottfried Thom

北野異人館街(神戸市北野町山本通伝統的建造物群保存地区)

神戸市中央区北野町・山本通1丁目〜山本通3丁目、六甲山の南麓に広がる北野町・山本通は、神戸の外国人居留を補完するため開発された住宅地(山手雑居地の一部)。北野異人館街と呼ばれる町並み、北野通は異人館通りと呼ばれ、神戸市北野町山本通伝統的建造

 

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