風見鶏の館(旧トーマス住宅)

風見鶏の館(旧トーマス住宅)

兵庫県神戸市の異人館が建ち並ぶ神戸市北野町山本通重要伝統的建造物群保存地区の中心的な建物が神戸市が管理する風見鶏の館(旧トーマス住宅)。重要文化財に指定された風見鶏の館は、ドイツ人貿易商ゴッドフリード・トーマス(Gottfried Thomas)が明治42年に自邸として建てた木造2階建ての住宅です。

北野異人館街のシンボル的な存在

風見鶏の館(旧トーマス住宅)
ホール横に設けられた応接間

風見鶏の館(旧トーマス住宅)は、異人館のなかでレンガ外壁は唯一のもので、尖塔のうえに立つ風見鶏がその名の由来(ドイツでは雄鶏は警戒心が強いことから魔除けの意味があります)。

設計はドイツ人建築家ゲオルグ・デ・ラランデ(Georg de Lalande)。
国内に現存する建物では、旧ロシア領事館(函館市)が貴重なゲオルグ・デ・ラランデの建築物です。

1階に玄関ホール、応接間、居間、食堂、書斎があり、2階は夫妻の寝室、子供部屋、客用寝室、朝食の間などが配されています。

ネオ・バロック様式を基調としていますが、内装には随所にドイツ版のアール・ヌーヴォーといえるユーゲント・シュティール(Jugendstil/19世紀末から20世紀の初頭にかけての世紀末美術)が取り入れられています。
1階各入口扉に付いている把手金具、玄関ポーチの桂頭飾り、応接間のシャンデリア、書斎腰板の風刺画などは、ユーゲント・シュティールを感じさせる意匠なので、お見逃しなく。

実業家・政治家の山縣勝見(やまがたかつみ)が戦前、新日本汽船の名義で館を購入し、昭和43年に神戸中華同文学校に売却(神戸中華同文学校学生寮として再生)。
NHK連続テレビ小説『風見鶏』(昭和52年10月〜昭和53年4月)の放送で、注目を浴び(物語とは直接的な関係はありません)、昭和53年1月に「旧トーマス住宅」の名称で国の重要文化財に指定されたことから、神戸市が購入し、一般公開したもの。
一般公開にあたって、トーマス氏の娘・カルボー夫人の記憶や、当時のアルバムを参考に可能な限り元の姿に復原。

ただしベランダなどの木部は神戸市により茶褐色に塗装されていますが、設計者ゲオルグ・デ・ラランデ本人の署名入り設計図では、深緑の彩色になっているため、創建時には深緑だったとも推測できます。

風見鶏の館(旧トーマス住宅)
中世の城館風意匠が取り入れられた1階の食堂

明治後期、雑居地に指定された北野に洋館が建ち並んだ!

日米修好通商条約によって開港した神戸港。
当初、港に隣接した神戸外国人居留地に暮らしていた外国人も、明治20年代になると居留地が手狭になったことも反映して景観のいい山の手(居留地周辺の一定の区域を雑居地に指定)に館を築く人が増え、蓄えた財をもとに見事な洋館を建築しました。
それまで段々畑がほとんどで人家もまばらだった北野には、最盛期には200軒を超える「異人館」が建てられたのです。
開発など景観が失われる懸念があることから昭和54年には伝統的建造物群保存地区(神戸市北野町山本通重要伝統的建造物群保存地区)の指定を受け、重要文化財2棟を含む34棟の洋風建築物、7棟の和風建築物が保存されています。
いずれも明治20年代から昭和初期に建てられた北野らしい建築物で、その代表的な建築物が萌黄の館(旧シャープ住宅)と風見鶏の館(旧トーマス住宅)の2館です。

名称 風見鶏の館(旧トーマス住宅)/かざみどりのやかた(きゅうとーますじゅうたく)
所在地 兵庫県神戸市中央区北野町3-13-3
関連HP 風見鶏の館公式ホームページ
電車・バスで JR三ノ宮駅・阪神三宮駅・阪急三宮駅から徒歩15分
ドライブで 阪神高速道路神戸線京橋ランプから約2km
駐車場 周辺の有料駐車場を利用
問い合わせ TEL:078-242-3223/FAX:078-242-3253
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
萌黄の館(旧シャープ住宅)

萌黄の館(旧シャープ住宅)

兵庫県神戸市中央区、神戸北野異人館街にある代表的な洋館が萌黄の館(もえぎのやかた)。明治36年、アメリカ総領事ハンター・シャープ(Hunter Sharp)の邸宅として建てられたもので昭和19年に神戸電鉄社長・小林秀雄の住宅となった異人館。

旧ロシア領事館

旧ロシア領事館

北海道函館市にある開港の歴史を今に伝える建物が、幸坂に建つ旧ロシア領事館。現存する旧ロシア領事館は、日露戦争終結後の明治41年に完成したもの。帝政ロシア時代の華やかな雰囲気が漂う洋館は、ロシア革命後、大正14年以降はソ連領事館として昭和19

 

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日本全国を駆け巡るプレスマンユニオン編集部。I did it,and you can tooを合い言葉に、皆さんの代表として取材。ユーザー代表の気持ちと、記者目線での取材成果を、記事中にたっぷりと活かしています。取材先でプレスマンユニオン取材班を見かけたら、ぜひ声をかけてください!

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