兵庫県尼崎市にある昭和40年に発見された弥生時代の遺跡が田能遺跡(たのいせき)。周辺は、弥生時代から古墳時代に古代文化が栄えた土地で、大規模な集落や、古墳が残されています。猪名川を挟んで園田競馬場の対岸にあるのが田能遺跡で史跡公園として整備されています。「尼崎市立田能資料館」がビジターセンターとして展示解説を実施。
尼崎市にある弥生時代の大集落跡
昭和40年、尼崎市市田能字中ノ坪(現・田能6丁目)で行なわれていた尼崎・伊丹・西宮3市共同による工業用水道園田配水場の建設工事中に大量の弥生土器が発掘され、遺跡の存在が明らかに。
発掘調査後に配水場建設のため取り壊しが予定されていましたが(当時、尼崎市は工業用水目的の地下水汲み上げによる地盤沈下が問題となっていました)、遺跡の一部が保存公開されています(配水ポンプ室建設予定地を変更し、重要な遺構・遺物の出土した第4調査区を中心とした5200平方メートルを保存)。
工事と並行して緊急に行なわれた発掘調査で、木棺墓(もっかんぼ)、木蓋土坑墓、土坑墓、壷棺墓、甕棺墓などの墓が17基発見されています。
弥生時代の木棺埋葬(木製のひつぎを使った埋葬)の風習が明らかになったのも、遺跡から発掘された木棺墓によるもの。
国の史跡に指定される田能遺跡で、見学できる部分は、「尼崎市立田能資料館」の屋外施設部分(見学無料)で、円形平地式住居、方形竪穴式住居、高床式倉庫各1棟が復元されています。
復元住居は内部へ入ることが可能で、構造や広さ、外部との温度差など、弥生時代の暮らしを体感できる仕組み。
遺跡から出土した銅剣鋳型(どうけんいがた)、白銅製釧(はくどうせいくしろ=装身具)、碧玉製管玉(へきぎょくせいくだたま=管状になっている宝飾装身具の部品)は、兵庫県の文化財に指定。
とくに銅剣鋳型の発見で、銅剣の一部が近畿地方でも作られていたことが明らかになりました。
田能遺跡 | |
名称 | 田能遺跡/たのいせき |
所在地 | 兵庫県尼崎市田能6 |
関連HP | 尼崎市公式ホームページ |
電車・バスで | JR猪名寺駅から徒歩25分 |
ドライブで | 名神高速道路豊中ICから約4.5km |
駐車場 | 25台/無料 |
問い合わせ | 尼崎市立田能資料館 TEL:06-6492-1777/FAX:06-6492-1777 |
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