兵庫県宝塚市、2個の銅鐸が出土した中山荘園地区にある7世紀中頃の終末期古墳が、中山荘園古墳。昭和57年に発見されたという古墳で、発掘調査により古墳の周囲をを石列が八角形に配される、当時の天皇陵と共通する八角墳であることが判明し、国の史跡に指定されています。
7世紀に築かれた全国的にも希少な八角墳が宝塚市に!
平成11年に国の史跡に指定されたのは、天皇陵以外の数少ない八角墳のなかで、全体像が明確で遺存状況も良好であり、飛鳥時代の墓制を考える上で重要な遺跡だから。
昭和58年3月に集合住宅の建設に先立ち発掘調査が実施され、古墳の規模は直径13m、高さ2.6mで墳丘は円墳状で、周囲の外護列石が八角墳を意図した多角形であることが判明しています(6面の外護列石が八角形を意図したものかどうかは、研究者の間にも見解の相違があります)。
主体部には埋葬施設として幅1.3m、奥行き3.4m、高さ1.3mの横穴式石室が配され、石室内の床には全面に板石が敷かれ、この中央部にベンガラ(紅殻)による赤色顔料が残されていました。
天皇陵など律令国家成立期の八角墳化については中央集権国家の成立過程で造成されたとされていますが、群馬県(一本杉古墳)、東京都(稲荷塚古墳)、鳥取県(梶山古墳)、広島県(尾市1号墳)など7世紀に地方豪族が築いた八角墳も見つかっています。
地方豪族が多角墳を築いた意味は今も明らかではなく、今後の研究の進展が待たれるところです。
ちなみに全国16万基ある古墳の中で、八角形の古墳は10基余しかなく、その割合は、0.00625%という希少なもの(中山荘園古墳以西では福山市の尾市1号墳しかありません)。
中山荘園古墳の被葬者は、物部氏の一族、大売布命(おおめふのみこと)、若湯坐連(わかゆえのむらじ)の可能性がありますが、定かではありません。
中山荘園古墳周辺には駐車場がないので、公共交通機関の利用を。
中山荘園古墳 | |
名称 | 中山荘園古墳/なかやまそうえんこふん |
所在地 | 兵庫県宝塚市中山荘園12-298 |
関連HP | 宝塚市公式ホームページ |
電車・バスで | 阪急電鉄宝塚本線売布神社駅、中山観音駅から徒歩10分 |
駐車場 | なし |
問い合わせ | 宝塚市教育委員会 TEL:0797-77-2029/FAX:0797-71-1891 |
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