白鳥塚古墳(中山寺古墳)

白鳥塚古墳(中山寺古墳)

兵庫県宝塚市中山寺2丁目、長尾山丘陵の南へ延びる尾根の先端部中山寺境内にある古墳が、中山寺古墳。白鳥塚古墳とも呼ばれ、埋葬施設として現存する全長が16.2mもある大型の横穴式石室を備え、竜山石製の家形石棺が置かれています。兵庫県の史跡に指定(指定名は中山寺古墳)。

ヤマト王権と深い関係性を有した首長の墓

白鳥塚古墳(中山寺古墳)

その存在については古くから知られ、『摂津名所図会』河邉郡六下の巻、紫雲山中山寺の項目に「白 鳥窟 俗に石唐櫃と云う。忍熊王廟なり。」と記されています。
明治20年2月6日には「日本アルプス」の命名者としても知られる「日本考古学の父」、ウィリアム・ガウランド(William Gowland)による調査も行なわれています。
ガウランドの記録としては、横穴式石室を開口部から写した写真1枚、立地、概要、横穴式石室、家形石棺などの調査内容を記した3枚が大英博物館に収蔵されています。

墳丘は後世の改変を受け、その形状についても判然としませんが、これまでの調査で、横穴式石室と家形石棺の既往の型式編年の研究などから6世紀末〜7世紀初頭(古墳時代後期〜終末期)の築造だと推測されています。
被葬者に関しても明らかではありませんが、中山寺の寺伝では第14代仲哀天皇の先皇后の大中姫としています。

大和の大型横穴式石室に匹敵する規模を有し、大和の大型横穴式石室の方に強い共通性が認められることからヤマト王権と深い関係性を有した首長の墓であることがわかります。

長尾山丘陵の先端部には八角墳の中山荘園古墳(国の史跡/宝塚市中山荘園)も築かれているので、時間が許せば合わせて見学を。

白鳥塚古墳(中山寺古墳)
家形石棺
白鳥塚古墳(中山寺古墳)
名称 白鳥塚古墳(中山寺古墳)/はくちょうづかこふん(なかやまでらこふん)
所在地 兵庫県宝塚市中山寺2-11
関連HP 宝塚市公式ホームページ
電車・バスで 阪急中山観音駅から徒歩5分、JR中山寺駅から徒歩15分
ドライブで 中国自動車道宝塚ICから約3km
駐車場 周辺の有料駐車場を利用
問い合わせ 宝塚市観光企画課 TEL:0797-77-2012
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
中山荘園古墳

中山荘園古墳

兵庫県宝塚市、2個の銅鐸が出土した中山荘園地区にある7世紀中頃の終末期古墳が、中山荘園古墳。昭和57年に発見されたという古墳で、発掘調査により古墳の周囲をを石列が八角形に配される、当時の天皇陵と共通する八角墳であることが判明し、国の史跡に指

 

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