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さくら交通公園に静態保存! 国鉄「東名ハイウェイバス」第1号車

東名ハイウェイバス

茨城県つくば市、つくばエクスプレス・つくば駅から徒歩20分ほどの「さくら交通公園」に静態保存されるのが、国鉄「東名ハイウェイバス」第1号車。1969年式の日野RA900Pで、国鉄専用型式。東名高速道路の全通に合わせ、東京〜名古屋・大阪、ドリーム号にも使われた懐かしい車両です。

東名ハイウェイバス「ドリーム号」などで活躍

昭和39年10月5日、国鉄と日本急行バス(名鉄・京阪・阪急・近江鉄道の共同出資、現在の名古屋観光日急)が名神ハイウェイバスを運行したのが、日本における高速バス輸送の始まり。

高速道路網の整備に伴って、高速バスも進化を遂げましたが、日野自動車、三菱、いすゞは試作バスを名神高速道路(189.6km)で実走させ、数多くのデータを集めていました。
昭和41年、国鉄は東京〜名古屋・大阪を結ぶ「超高速バス」の開発にあたって、国内バスメーカーに最高速140km/h、巡航速度100km/h、0m→400m加速29秒以内、3速で80km/hまで加速可能なギア設定、30万kmノンオーバーホール、高性能な複数系統ブレーキ、サブエンジン式の冷房装置、トイレの設置などの開発基準を示しました。
これが「国鉄専用型式」(こくてつせんようかたしき)あるいは「国鉄専用形式」(こくてつせんようけいしき)と呼ばれるもの。

名神高速道路が開通したものの、当時、国産自動車(大衆車)には、高速道路を走る十分な性能は備わっていませんでした。
そんな時代に高い走行性能と快適性を求めたのが「国鉄専用型式」で、実走試験でクリアという厳しい条件を付けていました。

国鉄の要望を受けて開発に乗り出したのが三菱と日野。
日野は名神高速開通時、すでに世界最大級のバス用ディーゼルエンジン、DS120型320psを搭載したRA100P型高速バスを発売していたので、DS120型をチューンアップ、350psのDS140型エンジンを搭載して、スピード性能などをクリアさせています。

シャーシを日野自動車、車体を帝国自動車工業(後の日野車体工業)が製造。
バス専用でしかも低重心の水平対向ディーゼルエンジンを搭載したため、最後部まで平坦なフロアを実現。
室内スペースを有効に使用できることからシートピッチが860mmと広く、ドリーム号にも使われる車種となったのです。

さくら交通公園に静態保存される車両の車番は、747-9901。
下2ケタの「01」が最初に登録された車両であるのをアピールしています。

こうして1号車となる国鉄の東名ハイウェイバスは昭和44年6月10日に運用を開始、「乗用車がスイスイと追い越される」という見事な走りをみせたのです。
廃車となる昭和52年6月までに137万4021km(地球を34周)を走行し、「ドリーム号 東京駅」を表示させて、つくば市で余生を送っています。

ちなみに三菱製の三菱B906R、東名高速バス1号車は「京都鉄道博物館」に保存されていますが、残念ながらイベント時などにしか公開されていません。

さくら交通公園に静態保存! 国鉄「東名ハイウェイバス」第1号車
所在地 茨城県つくば市吾妻4-3-3
場所 さくら交通公園
電車・バスで つくばエクスプレスつくば駅から徒歩20分
ドライブで 常磐自動車道桜土浦ICから約6km
駐車場 42台/無料
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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