広島県竹原市、竹原市重要伝統的建造物群保存地区(たけはら町並み保存地区)のメインストリートである本町通沿いに建つ代表的な商家で、一般公開されている2軒の「浜旦那」(塩田主)の邸宅のうちのひとつが松阪家住宅(松阪邸)。建物は江戸時代末期のもので、明治12年に改築され現在の姿になっています。
浜旦那(塩田主)の邸宅を見学
入母屋造り平入りの2階建て、唐破風の波打つような大きな屋根が印象的な建物。
漆喰塗(しっくいぬり)の大壁造りの重厚な建物は、2階の菱格子の出窓が華やか。
内部も数寄屋風で統一するという贅を尽くした造りで、往時には、製塩業や醸造業など手広く商い、財を成したのです。
欄間や床の間の細工も実に見事で、地元では松阪邸と呼ばれています。
建築年は定かでありませんが、祈禱札(きとうふだ)が天保6年(1835年)から保存されているので、その頃だと推測されています。
松阪家の初代は延宝2年(1674年)、広島から移住。
沢田屋と称して塩田の必需品である薪問屋、石炭問屋をきっかけに、塩田経営、廻船業、醸造業と多角経営を行なっています。
慶安3年(1650年)に竹原塩田(入浜式塩田)で始まった竹原の製塩事業は、北前船を利用して糸魚川、直江津、柏崎、酒田などの市場を開拓して成長。
浜旦那と呼ばれる浜持ちの家(塩田主)では、松阪家のほか、頼山陽(らいさんよう)を輩出した頼家、ニッカウイスキーの竹鶴政孝の竹鶴家(竹鶴酒造)、吉井家、森川家などが知られ、竹原の文化を育んできました。
松阪家も名家で、下市庄屋、割庄屋、竹原塩浜庄屋、竹原町長などを歴任。
松阪家住宅 | |
名称 | 松阪家住宅/まつざかけじゅうたく |
所在地 | 広島県竹原市本町3-9-22 |
関連HP | 竹原市観光協会公式ホームページ |
電車・バスで | JR竹原駅から徒歩15分 |
ドライブで | 山陽自動車道河内ICから約13km |
駐車場 | 新町市営駐車場(47台/有料)など周辺の有料駐車場を利用 |
問い合わせ | 松阪家住宅 TEL:0846-22-5474 |
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