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鞆港・常夜灯

鞆港・常夜灯

広島県福山市鞆町の鞆の浦(とものうら)は北前船の寄港などで栄えた港町。鞆の港に入る船の目印となっていた石造の常夜灯が現存しています。寛政3年(1791年)に築かれたもので、今も鞆の浦のシンボルとなっています。その足下に広がるのが雁木。干潮、満潮を問わず、船から直接荷揚げするのに便利なよう工夫された、鋸の歯のような階段状の桟橋。

北前船の入出港を見守った「防波堤灯台」

常夜灯は、北前船の入港を守る灯台の役割を担っていましたが、竿柱の南面に「金毘羅大権現」、北側に「当所祇園宮」の石額を掲げていて、海上安全の守護神に対する寄進燈籠という形式をとっています。
金毘羅大権現は、現在の金刀比羅神社(ことひらじんじゃ/香川県琴平町)の神仏習合時代の名前(象頭山金毘羅大権現)、当所祇園宮は、現在の沼名前神社(ぬなくまじんじゃ)です。
江戸時代には北前船で輸送される蝦夷地(北海道)のニシン油を光源にしていました。

海中の亀腹型石積まで含めると10mを越す大きさで、港湾部の常夜灯としては日本最大を誇っています。

常夜灯と雁木に面して建つ白壁土蔵が「いろは丸展示館」。
江戸時代に建てられた一連の太田家(当時は保命酒屋「中村家」=鞆七卿落遺跡)所有の蔵で、地元では「大蔵」と呼ばれています。
実は、現存する常夜灯は、その太田家がある西町が勧請して寄進したもの。

反対側の海に突き出す波止(はと)の先端には、往時には大坂屋が寄進した唐銅灯籠(からがねどうろう)が立っていましたが、残念ながら明治15年の水害で流出してしまいました。

現在の港も、港口を示すために防波堤の先端に防波堤灯台を設置していますが(港の奥に向かって右側が赤灯台、左側が白灯台)、江戸時代の鞆の浦の湊にも両側に常夜灯と灯籠を設置していたのです。

鞆港・常夜灯
名称 鞆港・常夜灯/ともこう・じょうやとう
所在地 広島県福山市鞆町鞆843-1
関連HP 福山観光コンベンション協会公式ホームページ
電車・バスで JR福山駅から鞆鉄バス鞆の浦行きで30分、終点下車、徒歩3分
ドライブで 山陽自動車道福山東ICから約15kmで福山市鞆の浦第1駐車場
駐車場 福山市鞆の浦第1駐車場(40台/有料)
問い合わせ 福山市観光課 TEL:084-928-1043
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

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