石狩市にある石狩市で現存する最古の木骨石造建築物(外観は石造りですが、内部に木の骨組みがあります)。店舗は明治27年築、石蔵は明治10年頃の築と推測されています。長野商店は、越後(現・新潟県北蒲原郡聖籠町)出身の長野徳太郎が、明治7年に創業した商店で、石狩町の繁栄を現在に伝える数少ない建物です。
札幌軟石が920個で構成される店と蔵
長野商店は、米・塩、呉服・反物、雑貨のほか、八幡町の酒造場では、清酒、濁酒、焼酎の醸造も行なっていました。明治・大正時代〜戦前の石狩町を代表する商家のひとつで、瓦屋根に洋風のアーチ窓をもつ和洋折衷の外観の札幌軟石を使った石造りの店舗と蔵を有していました。昭和30年の閉店後、昭和63年、石狩町に建物が寄贈されています。
平成6年、石狩町の文化財の指定を受けました。
当初は親船町7番地にありましたが、道道拡幅のため、平成19年3月に弁天歴史通り沿いの「いしかり砂丘の風資料館」隣接地に移築復原されました。店舗、石蔵あわせて、長さ約81cm・高さ約30cm・厚さ約17cmの札幌軟石が920個あまり使用されています。
店舗の内部は、明治から大正時代の石狩の商店の様子を再現し、石蔵でには、長野家で使った漆器や新築当時の店舗の瓦、棟札、本町地区のジオラマなどが展示されています。店舗の正面には、小麦粉、ぶどう酒、清酒、槲渋(かしわしぶ)エキスなど、長野商店が取り扱っていた商品の看板を復元。槲渋エキスは、カシワの樹皮からつくるタンニンで、明治から大正にかけて北海道で大量に生産されていました。
タンニンは、当時、革をなめすために使われたほか、石狩では漁網を染めることにも使われていました。
入場券は隣接の「いしかり砂丘の風資料館」で販売。
明治初期の石狩浜は、鮭漁(さけりょう)が豊漁で、明治10年代後半から新潟、青森、岩手などから多くの移住者がありました。明治21年前後に石狩に入った移住者を頼って新潟県北蒲原郡から転入者がいました。そのひとりが長野徳太郎で、戦前は漁業者の3分の2は越後衆だったそうです。北海盆唄の元歌といわれる『石狩越後盆踊り』は、こうして、移入されたのです。
旧長野商店 | |
名称 | 旧長野商店/きゅうながのしょうてん |
所在地 | 北海道石狩市弁天町30-5 |
関連HP | いしかり砂丘の風資料館公式ホームページ |
電車・バスで | 地下鉄東西線・東豊線大通駅から徒歩5分の中央バス札幌ターミナルから北海道中央バス石狩行きで30分、石狩温泉前下車、徒歩2分 |
ドライブで | 札樽自動車道札幌北ICから約18km |
駐車場 | 50台/無料 |
問い合わせ | いしかり砂丘の風資料館 TEL:0133-62-3711/FAX:0133-62-3711 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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