北海道厚岸郡厚岸町(あっけしちょう)、厚岸市街の南、太平洋に突き出した岬が愛冠岬(あいかっぷみさき)。愛とロマンの岬、愛が実を結ぶ岬と長年PRされ、カップルに人気の岬ですが、実は岬の名前は、アイヌ語の「アイ・カップ」(aykap=矢の上のもの・不可能の意)に由来。
矢も届かない80mもの海食崖
アイカップという風変わりは地名は、アイヌ語由来ですが、大きな崖を意味することが多く(実際に愛冠岬は高さ80mの断崖)、アイヌ部族間の戦いの際、「運試しに矢を放っ たが届かなかった」ということに由来する名(足寄町にも愛冠という地名がありますが、同じ由来です)。
愛冠岬岬入口の駐車場に車を置き、ダケカンバ、エゾマツなど、亜高山帯の木々の茂る森のなかを歩くと、美しい岬の草原に出ます。
岬突端には「愛の鐘ベルアーチ」があり、これを鳴らすと愛(思い)が叶うのだとか。
沖には海鳥の楽園で、ゼニガタアザラシの道東域における貴重な繁殖地でもある大黒島(大黒島海鳥繁殖地)が浮かび、眼下には筑紫恋海岸を眺めます。
愛冠岬は、厚岸の「観光十景」に数えられるものの、観光ルートから少し外れているため、尻羽岬(しれぱみさき)と並んでいまだに秘境ムードが漂う岬のひとつで、道東を代表する秘岬のひとつ。
海霧漂うときなら(夏季は千島海流と暖流の日本海流の混流によって海霧が発生)、怖いぐらいに幻想的です。
日本一涼しい、夏を満喫
また、愛冠岬、尻羽岬から昆布森海岸(釧路町)にかけては、千島海流(寒流)の影響で、羅臼町などとともに、夏の気温が日本一涼しいエリアです(晴天でも最高気温が20度を上回ることが少ない)。
エゾミヤコザサの草原、ミヤマハンノキの矮小化した風衝林、ダケカンバ林は、こうした夏の海霧の影響を受けて、森林限界のような植生を生み出したもの。
釧路〜根室〜知床の海岸線特有のこうした景観の代表格が、この愛冠岬というわけなのです(厚岸道立自然公園に指定)。。
愛冠岬、尻羽岬周辺にはエゾシカも多数生息するので、とくに朝夕のドライブはエゾシカとの衝突に注意し、安全運転を。
愛冠岬 | |
名称 | 愛冠岬/あいかっぷみさき |
所在地 | 北海道厚岸郡厚岸町愛冠5 |
関連HP | 厚岸町公式ホームページ |
電車・バスで | JR厚岸駅前からくしろバス霧多布温泉行き、愛冠行きで12分、愛冠下車、徒歩5分 |
ドライブで | たんちょう釧路空港から約72km |
駐車場 | 30台/無料 |
問い合わせ | 厚岸町観光商工課 TEL:0153-52-3131 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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