北海道幌延町の日本海沿い、原始砂丘の上に並ぶ風車群がオトンルイ風力発電所。初夏には周囲にエゾカンゾウ、ハマナスが咲き乱れるという原生花園。日本海オロロンライン・道道106号(稚内天塩線)沿い、南北3.1kmに28基の風車が並ぶ姿は実に壮観。サロベツ原野パーキングが整備され、風車群と利尻富士を眺望します。
原始砂丘に南北3.1kmに28基の風車が並ぶ
幌延町の風力発電プロジェクトにより平成12年、第三セクターで幌延風力発電株式会社(株主はJFEエンジニアリングと幌延町)が設立。
北緯45度線上に位置する幌延町浜里地区は日本海に面し、年間を通じて安定した電気を生む風に恵まれています。
平成15年に稼働を始めたのがオトンルイ風力発電所(750kW×28基)です。
オトンルイ風力発電所の巨大風車(オランダ、ラガウェイ製風車)は、タワー部分が高さ74m、ローター直径50.5mで、地上から羽根の先まで99mもあります。
これはのっぽにして風を少しでも多く受けようという工夫なのだとか。
年間発電量は5800万kWhは、一般の家庭が1年間に消費する電力の1万2000世帯分(幌延町全体消費電力の2倍)に相当し、送電線で、17 km先にある北海道電力幌延変電所へ送電されています。
ただし、サロベツ地方は、日本とロシアの間を渡る渡り鳥の主要かつ国際的に重要な渡り経路となっているため、風車群の野鳥への影響(オジロワシの衝突などが危惧されています)、原始砂丘という環境保全への影響、さらには景観に対する問題を指摘する声もあります。
オトンルイ風力発電所は、風力発電事業が環境影響評価法の対象事業になる前に建設されたものであるため、今後、様々な見直しが行なわれる可能性があります。
ちなみにオトンルイ(音類)は、アイヌ語のオタ・ウン・ルイ(砂浜・そこにある・道)に由来。
幌延町の音類橋付近から豊富町との境界付近(南北6kmの範囲)には音類(オトンルイ)竪穴群遺跡があり、796軒の竪穴と3ヶ所のチャシ跡が見つかっています。
発掘された擦文土器から9世紀~10世紀頃の竪穴住居跡だと推測されています。
ただし道道より内陸側の砂丘列にあり、立ち入っての見学はできません。
オトンルイ風力発電所 | |
名称 | オトンルイ風力発電所/おとんるいふうりょくはつでんしょ |
所在地 | 北海道天塩郡幌延町浜里 |
関連HP | 幌延町公式ホームページ |
ドライブで | 稚内空港から約62km |
駐車場 | サロベツ原野パーキング(14台/無料) |
問い合わせ | 幌延町産業振興課 TEL:01632-5-1115 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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