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恵山高原(恵山賽の河原)

気象庁による常時観測対象の恵山(617.6m)は、火山活動も活発な活火山。二重式火山の火口原、標高330mまでの賽の河原駐車場までは車で進入することが可能で(夜間は通行不可)、賽の河原と呼ばれる火口原や、恵山展望台、岬展望台までの散策が楽しめます。また賽の河原駐車場を起点に恵山登山は、徒歩1時間。

現在も活発に噴気を上げるので、火山活動に注意して入山を

賽の河原の名の通り荒涼たる火山荒原が展開
賽の河原から眺めた恵山山頂方面

恵山は、今から4万年~5万年前に海向山(かいこうざん)、椴山(とどやま)が誕生したのを契機に、2万年~2万5000年前の間に外輪山、8000年~1万年前の間に恵山溶岩ドームが誕生し、それらが複合した活火山となっています。
恵山溶岩ドーム西麓の爆裂火口では現在も盛んに噴気活動が続いており、入山にあたっては最新の火山情報のチェックが必要。

栄養分の少ない火山灰、津軽海峡で発生する霧の影響による日照不足などの厳しい環境から、標高が低いのにもかかわらず、2000m級の山でしか見られないような高山植物も繁茂しています。
5月〜6月中旬には山腹から恵山高原にかけて、サラサドウダン(別名フウリンツツジ)が深紅の花を咲かせます。

高田屋嘉兵衛安置の十一面観音菩薩像に注目

賽の河原安置の石仏
高田屋嘉兵衛安置の石仏

恵山は対岸の恐山同様に、江戸時代から霊山として崇められ、賽の河原には箱館を拠点に北方交易で活躍した豪商・高田屋嘉兵衛(たかだやかへえ)が寄進したという十一面観音菩薩像が残されています。
高田屋嘉兵衛が開いた北方の交易ルートは箱館(現・函館)から恵山岬をかわし、襟裳(えりも)、釧路、根室をへて、国後(くなしり)や択捉(えとろふ)へと通じていたのです。
持ち船の「貞宝丸」(1200石積み・16人乗り)が箱館から択捉・幌泉に向けて航行中、恵山・水無沖で時化(しけ)にあって難破。9人が亡くなるという海難事故が発生しました。
1809(文化6)年1月、高田屋嘉兵衛は、台座に「海上安全」、「高田船中」と刻んだ石仏を賽の河原に奉納して航海の安全を祈願したのです。
よく見ると、昭和11年の大暴風によって中ほどから割れ、修復された跡がわかりますが、恵山岬沖が船乗りたちにとっては畏怖(いふ)の場所だったことを伝えています。

恵山高原散策ガイド

「恵山展望台コース」/賽の河原駐車〜恵山展望台=片道40分。観光的にはこちらが一般的。
火山岩がゴロゴロとしていて歩きにくい道ですが、5月〜6月中旬ならこの道がツツジの探勝路にもなっています。
「岬眺望コース」/賽の河原駐車場〜岬展望台=片道30分。5月末ならミネズオウの群落が迎えてくれます。

恵山登山/賽の河原駐車〜山頂=徒歩1時間

恵山高原(恵山賽の河原)
名称 恵山高原(恵山賽の河原)/えさんこうげん(えさんさいのかわら)
所在地 北海道函館市恵山町
関連HP 函館市公式観光情報サイト
電車・バスで JR函館駅前の函館バスセンターから函館バス石田温泉行きで55分、恵山登山口下車
ドライブで 函館空港から約41km
駐車場 60台/無料
問い合わせ 函館国際観光コンベンション協会 TEL:0138-27-3535
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

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