日本国内に公共交通機関としての馬車鉄道に乗ったことのある人は、ほぼいません。文字通り馬が曳く鉄道で、東京でも東京馬車鉄道が明治15年6月25日に開業していますが、明治36年〜37年に電車化され、その歴史を閉じています。現在、国内で馬車鉄道が運行するのは、北海道札幌市の北海道開拓村だけです。
東京を2000頭の馬が闊歩した時代があった!

北海道の馬車鉄道は、札幌郊外の石山での軟石採掘に始まり、明治42年2月に運行を開始(貨物のみならず乗客も運搬)。
札幌駅前まで延伸、大正元年8月に札幌市街馬車軌道と名を改めていますが、市街地での糞尿の処理に苦慮するようになり、大正5年10月には札幌電気軌道と改称し、急ピッチで電化工事を行ない、8月10日に電化を完成しています。
明治40年度末には、日本国内に馬車鉄道37社、人車鉄道11社がありましたが、馬車鉄道が大都市の市内交通として用いられたのは例外的で、郊外の石材の運搬などが一般的でした。
東京では人力車がまだ1万台も活躍する時代に、文明開化とともに誕生したのが馬車鉄道。
世界に目を向けると、天保3年(1832年)、ニューヨークのStreet Railways(市街鉄道)がルーツです。
つまり、東京馬車鉄道。新橋~日本橋間(2.5km)が開業したのはニューヨークから遅れること50年ということに。
最盛期には300両の車両と2000頭の馬が、東京を闊歩していたのです。
馬だらけの東京、そんな姿は、とても想像ができません。
北海道開拓の村で馬車鉄道の体験を!

日本最初の馬車鉄道は、明治15年開業の馬車鉄道で、官営鉄道(現在のJRグループ)の軌間1067mm、新幹線に採用され、世界的には主流の軌間1435mmとも異なる1372mm(スコッチゲージ)という独自の軌間を採用しています。
なぜ、この独自の軌間をあえて採用したのかは、記録に残されていないため、定かでありません。
日本国内ではこの軌間1372mmを「馬車軌間」、「東京ゲージ」と称しています。
実は、日本国内には今も馬車軌間の鉄道がありますが、実は馬車鉄道がルーツ、あるいは馬車鉄道を前身とする路面電車(東京市電)と相互乗り入れを行なっていた路線だということがわかります。
日本国内では、京王本線、東急世田谷線、都営地下鉄新宿線と都電荒川線(東京さくらトラム)、函館市電が、この「馬車軌間」、「東京ゲージ」です。
北海道開拓の村の馬車鉄道(旧札幌停車場前~旧ソーケシュオマベツ駅逓所前)は、大正時代の札幌市街馬車軌道、そして札北馬車軌道を復元したもの。
レール幅762mm(2フィート6インチ)の狭軌で、東京の馬車鉄道ほどの広さはありません。
例年冬場は馬そりの運転となり、馬車鉄道の運行は、4月下旬(GW)〜11月の間で、車内で大正時代と異なる点は、座席(大正時代はクッションがありませんでした) と吊り手の形状などで、車体では窓一個分が延長され、定員は座席12名、立席6名の計18名という仕様です。

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