福島県会津若松市にある老舗が白木屋漆器店(しろきやしっきてん)。会津若松で手に入れたい御当地みやげの筆頭が、会津漆器。戦国時代末期、蒲生氏郷(がもううじさと)の時代に始まる会津を代表する伝統工芸品で、白木屋漆器店を訪ねれば、椀など本物を鑑賞し、手に入れることができます。
大正ロマンを感じさせる漆器店
数ある漆器店の中でも、慶安年間(1648年〜1652年)に木綿太物を扱う店として創業し、享保年間( 1716年〜1736年)から漆器業を営むという老舗が白木屋漆器店。
創業時に木綿を扱ったため、綿の字を分解して白木と洒落たのだとか。
大正3年に竣工したルネッサンス様式を取り入れた土蔵造り3階建てのレトロな建物は、照明や階段手すりなど、建物だけでも一見の価値があります。
会津初の洋風建築で、設計は福西本店(旧福西伊兵衛商店/大正3年築)と同じ、山岸清助。
1階がメインの売り場、2階が陳列場を兼ねて、文具から晴れの日の器を扱うフロアで、「1000種類以上の漆器を常時取り扱っている」というから、漆器に興味があるなら、まずは白木屋漆器店へ。
会津塗の秀逸さを知る
天正18年(1590年)、豊臣秀吉の奥州仕置(おうしゅうしおき=伊達政宗を抑えることを目的とした秀吉の奥州支配)で会津を領有した蒲生氏郷(がもううじさと)が、黒川城を改築し、蒲生家の舞鶴の家紋にちなんで鶴ヶ城と命名。
産業として漆工芸を奨励し、前任の領地・近江国日野(現・滋賀県日野町)から木地師(きじし=ろくろを使い木工品を加工、製造する職人)や塗師を呼び寄せて、当時の木工と塗りの技術を伝承させたことで誕生したのが会津塗です。
ひとことで会津塗といっても、その技法は多様で、下地に用いられる錆漆(生漆と砥粉を混合)を全面に活かした渋味のある「鉄錆塗」(てつさびぬり)、黒漆を塗った上に大麦や籾殻(もみがら)をまき、木地呂漆を塗り、さらに磨いて虫が葉っぱをかじった痕のような模様を生み出す「金虫喰塗」(きんむしくいぬり)、上質で透明な漆で仕上げた木目の美しい「木地呂塗」(きじろぬり)、そして上塗で仕上げる美しい塗肌の「花塗」(はなぬり)などがあります。
白木屋漆器店 | |
名称 | 白木屋漆器店/しろきやしっきてん |
所在地 | 福島県会津若松市大町1-2-10 |
関連HP | 白木屋漆器店公式ホームページ |
電車・バスで | JR七日町駅から徒歩10分 |
ドライブで | 磐越自動車道会津若松ICから約4.4km |
駐車場 | 6台/無料 |
問い合わせ | 白木屋漆器店 TEL:0242-22-0203/FAX:0242-25-3977 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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