茨城県ひたちなか市阿字ケ浦町、ひたちなか海浜鉄道終着駅の阿字ヶ浦駅に鎮座するのが、ひたちなか開運鐵道神社。北海道の羽幌炭鉱鉄道で活躍した後、前身の茨城交通湊線を含めひたちなか海浜鉄道を44年間走った車輌、キハ222を御神体としたユニークな神社で、令和3年6月19日に建立。
世界初の車輌そのものが御神体の神社
昭和35年に富士重工業で製造された国鉄キハ22形車輌は、羽幌炭鉱鉄道に導入され、その廃止に伴い昭和45年に茨城交通湊線に移籍し、平成27年に引退した後は、阿字ヶ浦駅で保管されていました。
「気動車の聖地」とも称されるひたちなか海浜鉄道湊線を活かした活性化に取り組む市民団体「三鉄ものがたり実行委員会」が構想から5年を費やし、クラウドファンディングで目標額を上回る460万円を集め、修繕と旧国鉄標準色に再塗装しています。
「これまでのキハ222の働き、鉄道ファンの熱い思い、観光、地域のシンボルとして、結晶として」車輌が御神体の神社の創建だったとのことで、地域活性の起爆剤にしたい考えです。
御神体となるキハ222は、長年の運行でも無事故を誇るため、交通安全、長寿、そして沿線の勝田駅(かつたえき=勝ったから、勝運アップ)、金上駅(かねあげえき=金運アップ)から勝負運、出世運の向上、さらには電車は連結が付き物であるから、人のご縁、恋愛成就もPRしています。
鳥居も大正14年製造の前身である湊鉄道時代からのレールを使うというこだわりで、世界初で唯一ののレール製鳥居ということに。
これを壱ノ鳥居と呼んでいるのは、那珂湊駅を拝殿、阿字ヶ浦駅を本殿とする構想で、那珂湊駅〜阿字ヶ浦駅間は、世界初の「参道が鉄道」ということになるから。
キハ222の運転台に運転台窓には、よく見るとに雪よけの旋回窓が取り付けられています(北海道仕様)。
線路内、立ち入り禁止区域への立ち入りは厳禁。
御神体(キハ222)の本殿内部拝観もできません(特別開帳時のみ内部拝観可能)。
茨城県立勝田高校美術部員が描いた「開運駅印」などは拝殿となる那珂湊駅で授与(販売)。
参拝できる鉄道神社としては(旧国鉄の本社内に創建された神社などは参拝不可)、ひたちなか開運鐵道神社のほか、JR最高地点近く(長野県南佐久郡南牧村野辺山)の鉄道神社、JR博多駅の駅ビル「JR博多シティ・アミュプラザ博多」屋上の「つばめの杜ひろば」内に鎮座する鉄道神社があります。
ひたちなか開運鐵道神社 | |
名称 | ひたちなか開運鐵道神社/ひたちなかかいうんてつどうじんじゃ |
所在地 | 茨城県ひたちなか市阿字ケ浦町204 |
電車・バスで | ひたちなか海浜鉄道阿字ヶ浦駅構内 |
ドライブで | 常陸那珂有料道路ひたち海浜公園ICから約3km、ひたちなかICから約4.5km |
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