茨城県笠間市に、周囲を断崖絶壁が取り囲んだ地図にない絶景の湖があります。それが石切山脈。名前の通り、特産の稲田石の採石場跡(前山採石場の跡)で、採掘後の凹地に水が溜まって湖に、そして岩肌が岩峰群、壮大な石の屏風のように連なり、石切山脈と通称されています。
今も国土地理院の地形図には水部の記載なし!
国会議事堂などに御影石を供給した稲田石の採石場の跡で⼀般入場料を支払えば、前山採石場(採石場跡、地図にない湖など)と「いなだストーンエキシビジョン」の展示作品を見学できます。
稲田石は、「白い貴婦人」と呼ばれた白御影石で、6000万年前に地下深くでマグマが固まってできた花崗岩の仲間。
際立った白さから珍重され、国会議事堂、最高裁判所、東京駅、茨城県庁などでも使われています。
国会議事堂建設の際には、350人もの職人たちが汗を流し、石材を切り出したとか。
見学できるのは、かつて砕石された採掘場跡。
中野組は明治32年に創業、明治33年頃から本格的な採石が始まり、65mの深さまで採掘したため、平成26年に採掘を止めた場所です。
採石時にはポンプで地下水や雨水を汲み出していましたが、平成26年の採石終了とともに水が溜まりだし、ついには小さなカルデラ湖のようになったもの。
稲田石は、明治31年水戸線の稲田駅開業で産地化に弾みがつき、明治38年、東京市電の軌道舗装敷石の大量注文を受け、石材産地として稲田は全国的に有名になりました。
採石場跡の巨大な凹みは深さ35mの「地図にない湖」(国土地理院の2万5000分の1地形図にもまだ水部が表示されていません)になっています。
施設内にあるカフェでは、笠間名産の栗をぜいたくに使用したモンブランを味わうことができます。
ちなみに中野組の後継、「想石」が石切山脈を観光化して運営していますが、中野組の技術を継承する現役の石材会社でもあり、今も年間5000トンの石材を出荷、神社や寺、墓石などの活用されています。
赤れんがで知られる東京駅もその美しさを際立たせているのは、この100年後も白いという稲田石があってこそ。
東京駅(「東京駅丸ノ内本屋」)に行ったら、稲田石にも注目を。
【関東近場旅】 茨城のグランドキャニオン「地図にない湖」石切山脈へ! | |
名称 | 石切山脈/いしきりさんみゃく |
所在地 | 茨城県笠間市稲田4260-1 |
関連HP | 株式会社想石公式ホームページ |
電車・バスで | JR稲田駅から徒歩20分 |
ドライブで | 北関東自動車道笠間西ICから約6km |
駐車場 | 20台/無料 |
問い合わせ | 株式会社想石 TEL:0296-74-2112/FAX:0296-74-3851 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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