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続石

続石

岩手県釜石市の釜石と遠野を結んだ旧釜石街道沿いの山中にある不思議な巨石が続石。巨大な岩がまるで鳥居のように積み上げられています。台石は高さが2m、上に乗った笠石は、幅7m、奥行き5m、厚さ2mの巨岩。台石の間を人がくぐることも可能で、柳田國男は、ドルメン(支石墓)に似ていると評しています。

岩盤・岩石の崩壊・浸食で誕生の奇岩

花崗岩の奇岩・続石の背後には山神を祀る祠も

あまりにも巨大な石造物のため、力自慢の弁慶が積み上げたという伝説(笠になった岩には弁慶の足跡もあるとか)や、原始巨石文明の跡であるという説、さらには世界文化遺産に登録された、韓国の江華支石墓に似た古代人の墓という説までありますが、真相はいまだに藪のなか。

周囲には不動岩など巨岩が多く、科学的には、長い年月による岩盤・岩石の崩壊・浸食作用で誕生、あるいは土石流などによって誕生した自然の造形物ではないかと推測する人が主流となっています(遠野市の天然記念物に指定されているのもそのため)。

続石のそばに、ひっそりと鎮座する泣き石もあるのでお見逃しなく。

柳田國男『遠野物語』の増補版にあたる『遠野物語拾遺』11話に登場。
「綾織村山口の続石は、この頃学者のいうドルメンというものによく似ている。二つ並んだ六尺ばかりの台石の上に、幅が一間半、長さ五間もある大石が横に乗せられ、その下を鳥居の様に人が通り抜けて行くことが出来る」。
ドルメン(dolmen)とは古代のヨーロッパやアジアなどに見られる支石墓(しせきぼ)のこと。
日本では、長崎県南島原市の原山支石墓群(縄文時代終末期の遺跡)が有名ですが、東北に支石墓があったという学説はありません。

続石
名称 続石/つづきいし
所在地 岩手県遠野市綾織町上綾織
関連HP 遠野市観光協会公式ホームページ
電車・バスで JR遠野駅からタクシーで20分、駐車場から徒歩15分
ドライブで 釜石自動車道宮守ICから約8.5km
駐車場 6台/無料
問い合わせ 遠野市観光協会 TEL:0198-62-1333
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

カッパ淵

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山崎のコンセイサマ

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