JR西日本は、2024年10月29日、「輸送密度2000 人/日未満の線区別経営状況に関する情報開示」と題しての線区別の経営状況(2021年〜2023年度平均)の開示を行なっています、営業係数ワーストは芸備線・東城~備後落合でなんと1万1766円 。赤字TOP10(実はワースト10ですが)を紹介しましょう。
ワーストは昨年と同じで芸備線(東城駅~備後落合駅)
営業係数とは、100円の収入を得るためにいくら必要だったかを表す指数。
つまりは100を切れば黒字路線ということになり、大阪環状線は60弱といわれていて、100円の営業収入を得るのに60円ほどかかっていることがわかります。
逆に営業係数のワーストは、芸備線・東城駅~備後落合駅で、100円の収入を得るために1万1766円かけていることがわかります。
以前の発表(2018-2020平均)はコロナ禍の影響もあって2万6906円となっているので、大幅に改善されています。
それでも1日あたりの平均通過人員も分割民営化時(1987年)には476人だったのが、20人まで激減しています。
芸備線に関しては備中神代~備後庄原の68.5kmを対象に全国初の「再構築協議会」が始まっていて、存続をめざす広島・岡山の沿線自治体と、代替交通への転換を打ち出すJR西日本の話し合いが進められています。
単純計算すると、東城駅~備後落合駅間の乗車券は510円。
この510円を稼ぎ出すために、JR西日本は6万6円を費やしていることになり、ある意味、非常に贅沢な乗り物ということになります。
姫新線も赤字を抱えていますが、たつの市では「姫新線は、渋滞などに影響されにくく、目的地へ定時に到着し、地球環境にもやさしい優れた公共交通機関」(姫新線年間乗車目標300万人)とPRし、利用者アップを図っています。
今回は姫新線の中国勝山駅~新見駅間が2位にランクインしたことから、廃止論議が頭をもたげそうです。
赤字のイメージの強いJR北海道でも留萌線の深川駅~石狩沼田駅間で2390円なので、姫新線、芸備線は北海道以上に営業係数の悪い路線ということになります。
ちなみに、芸備線(東城駅~備後落合駅)は、国内のJR路線で、久留里線(久留里駅~上総亀山駅)、陸羽東線(鳴子温泉駅~最上駅)に次ぐ、3番目のワースト路線となります。
JR西日本 赤字ローカル線 TOP10
順位 | 線名 | 区間 | 営業キロ | 収支率 | 営業係数 | 平均通過人員 1987年(人/日) 2023年(人/日) |
1位 | 芸備線 | 東城駅~備後落合駅 | 25.8km | 0.8% | 1万1766 | 476人 → 20人 |
2位 | 姫新線 | 中国勝山駅~新見駅 | 34.3km | 2.5% | 4042 | 702人 → 111人 |
3位 | 木次線 | 出雲横田駅~備後落合駅 | 29.6km | 2.9% | 3424 | 279人 → 72人 |
4位 | 芸備線 | 備後落合駅~備後庄原駅 | 23.9km | 3.4% | 2978 | 725人 → 86人 |
5位 | 芸備線 | 備中神代駅~東城駅 | 18.8km | 3.5% | 2843 | 504人 → 88人 |
6位 | 大糸線 | 南小谷駅~糸魚川駅 | 35.3km | 3.6% | 2747 | 987人 → 110人 |
7位 | 福塩線 | 府中駅~塩町駅 | 54.4km | 4.6% | 2188 | 3101人 → 166人 |
8位 | 因美線 | 東津山駅~智頭駅 | 38.9km | 4.4% | 2272 | 1551人 → 134人 |
9位 | 越美北線 | 越前花堂駅~九頭竜湖駅 | 52.5km | 5.2% | 1910 | 772人 → 282人 |
10位 | 加古川線 | 西脇市駅~谷川駅 | 17.3km | 5.3% | 1894 | 1131人 → 275人 |
次点 | 山陰線 | 益田駅~長門市駅 | 85.1km | 5.4% | 1862 | 1663人 → 209人 |
JR西日本 赤字ローカル線 TOP10|2024 | |
開催日時 | JR東日本の2記事と相互リンクをお願いします |
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