2024年10月29日、JR東日本が発表した「ご利用の少ない線区の経営情報」によれば、関東エリアでも1日の平均輸送人員が2000人以下の線区が10線区もあります。TOPはJR東日本管内で赤字額ワーストでもある久留里線久留里駅~上総亀山駅で64人と、なんと2桁です。
内房線、外房線では赤字額増大も
関東で利用者が少ない線区は、1987年の国鉄分割民営化時との比較で、乗車人数が3割以上も減少している線区が多く、関東圏でも利用者現象に歯止めがかからないローカル線が数多いことがわかります。
TOP10には入っていませんが山手線などの車内に掲示される「東京近郊路線図」のなかでいえば、
八高線・高麗川駅~倉賀野駅2753人、青梅線・青梅駅~奥多摩駅3605人というのが東京近郊TOP2の乗車人員の少ない路線。
JR東日本では高輪ゲートウェイ駅周辺の不動産開発、駅ナカ事業などに尽力していますが、今後、さらに減少が予想されるローカル線に対して、存廃論議が活発化することが予想されます。
とくに久留里線・久留里駅〜上総亀山駅間は、年間収入がわずかに100万円で全国最少。
営業費用に対する運輸収入の割合を示す「収支率」も最も低く0.7%で100円の収入を確保するのに1万3580円の費用が必要になる計算になっていて、走れば走るほど赤字に。
それでも久留里線は久留里線・木更津駅〜久留里駅(赤字額2800万円減)、久留里線・久留里駅〜上総亀山駅(1000万円減)と改善してはいるものの、久留里線全体では年間9億円以上もの赤字を生んでいます。
内房線館山駅〜安房鴨川駅は赤字額15億4100万円(対前年度2億9800万円増)、外房線勝浦駅〜安房鴨川駅も赤字額12億7800万円(対前年度5600万円増)とコロナ禍を抜けているものの、赤字額が増大している路線もあり、悩ましいところです。
関東で利用者が少ない線区 TOP10
順位 | 線名 | 区間 | 営業キロ | 輸送人員 (人/日) | 民営化時 との比較 |
1位 | 久留里線 | 久留里駅~上総亀山駅 | 9.6km | 64人 | △92% |
2位 | 水郡線 | 常陸大子駅~磐城塙駅 | 25.7km | 147人 | △81% |
3位 | 吾妻線 | 長野原草津口駅~大前駅 | 13.3km | 260人 | △67% |
4位 | 水郡線 | 常陸大宮駅~常陸大子駅 | 32.2km | 802人 | △67% |
5位 | 水郡線 | 磐城塙駅~安積永盛駅 | 56.2km | 839人 | △48% |
6位 | 久留里線 | 木更津駅~久留里駅 | 22.6km | 1072人 | △76% |
7位 | 烏山線 | 宝積寺駅~烏山駅 | 20.4km | 1144人 | △55% |
8位 | 内房線 | 館山駅~安房鴨川駅 | 33.5km | 1381人 | △70% |
9位 | 外房線 | 勝浦駅~安房鴨川駅 | 22.4km | 1384人 | △72% |
10位 | 水郡線 | 上菅谷駅~常陸太田駅 | 9.5km | 1975人 | △39% |
【JR東日本】関東で利用者が少ない線区 TOP10|2024 | |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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