かつては「縄文人のゴミ捨て場」ともいわれた貝塚ですが、人骨や土器などが捨てられていることから物送りの場、聖地説なども生まれています。その貝塚は、判明しているだけで2700ヶ所ありますが、東京湾沿いに950ヶ所(千葉県内770ヶ所)。「日本最大」とされる貝塚も千葉市にあります。
国の特別史跡で貝塚は、加曽利貝塚だけ!
千葉市にある日本最大という貝塚が、加曽利貝塚(かそりかいづか)。
直径130mのドーナツ形をした縄文時代中期(5000年前)の北貝塚と、長径170mで馬蹄形をした縄文時代後期(4000年前)の南貝塚が連結し、8の字形をした日本最大の貝塚となっています。
しかも加曽利貝塚は集落を伴う「ムラ貝塚」で、その意味でも日本最大級。
この日本最大といわれる加曽利貝塚を筆頭に、120ヶ所の貝塚があるのが、千葉市。
あまりイメージされることがありませんが、実は千葉市は「貝塚のまち」といえるのです。
千葉市内にある貝塚のうち、国の史跡になっているのは、加曽利貝塚(千葉市若葉区桜木8丁目)、月ノ木貝塚(中央区仁戸名町)、荒屋敷貝塚(若葉区貝塚町)、犢橋貝塚(花見川区さつきが丘1丁目)、花輪貝塚(若葉区加曽利町)の5ヶ所。
しかも加曽利貝塚は、平成29年10月に加曽利貝塚縄文遺跡公園15.1haが「国の特別史跡」にランクアップし、その重要性がよくわかります。
千葉県内では加曽利貝塚のみで、まさに「史跡のうち学術上の価値が特に高く、わが国文化の象徴たるもの」ということに。
縄文時代の特別史跡としては4例目、貝塚では日本初となります。
高度経済成長期の昭和35年、貝塚とその周辺部が宅地造成を目的に買収されたこともありましたが、千葉市教育委員会、日本考古学協会の調査などで全国的な保存運動が巻き起こり、千葉市が買収、保存されることになりました。
「遺物の保存状態も良好であり、人骨など埋蔵されている情報量で加曽利貝塚をしのぐ貝塚は国内に存在しません」(千葉市立加曽利貝塚博物館)という貴重な遺跡で、東京湾沿岸において、大型貝塚の形成の始まりから衰退までの変遷を一つの遺跡で追うことができる唯一の事例となっています。
同じ場所に2000年間(5000年前~3000年前)、ムラが存続できたのは、豊かな漁業資源、森林資源に恵まれたから。
往時の雰囲気を理解しやすいように、縄文時代のムラが復元されるほか、クヌギ、コナラ、ケヤキ、クリ、シイ類などが植樹される縄文の森も整備。
形成時期の異なる南北ふたつの貝塚それぞれに「貝層断面観覧施設」があり、貝の大きさ・種類、堆積の様子などを見学することができます。
画像協力/千葉県観光物産協会
東京湾は「日本一の貝塚密集地帯」、日本最大の貝塚が千葉市に! | |
名称 | 加曽利貝塚公園/かそりかいづかこうえん |
所在地 | 千葉市若葉区桜木8-33-1 |
関連HP | 加曽利貝塚博物館公式ホームページ |
電車・バスで | JR千葉駅から京成バス御成台車庫行き、都賀駅行きで桜木町下車、徒歩15分 |
ドライブで | 京葉道路貝塚ICから約2.3km |
駐車場 | 70台/無料 |
問い合わせ | 千葉市都市局公園緑地部若葉公園緑地事務所 TEL:043-228-0080/FAX:043-228-5421 |
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