鹿児島県鹿屋市川東町、海軍航空隊笠野原基地跡(笠野原飛行場跡)の遺構が、川東掩体壕(かわひがしえんたいごう)。掩体壕は、B29などの九州から飛行機を守ったり、アメリカ軍の偵察をカモフラージュするための格納庫で、築かれた200基あまりのうち、現存するのはわずかに1基のみ。
田園地帯にポツンと残る貴重な戦争遺跡
畑の中にポツンと残るかまぼこ型の施設で、一部破損していますが、ほぼ戦時中からの状態を維持しています。
掩体壕を築くにあたっては子供まで動員されたといい、内部には零式艦上戦闘機(ゼロ戦)が格納されていたと伝えられています。
海軍航空隊笠野原基地は40haもの農地を農家から借り上げ、大正8年に完成した福岡県の大刀洗陸軍飛行場(たちあらいりくぐんひこうじょう)からの飛行機の離発着場として、大正11年に完成。
その後、軍用飛行場として120haにまで拡充し、真珠湾攻撃に参加した第二航空戦隊艦爆撃隊もこの飛行場を利用していました。
戦争が激化した昭和20年1月には零式艦上戦闘機(ゼロ戦)72機が配備されていましたが、3月のアメリカ軍による集中爆撃で大部分の施設、航空機が破壊されています。
周辺では、基地へと繋がる地下道の入口と、川東掩体壕のみが現存。
かまぼこ型なのは、少ない資材で大きな強度が得られるため。
それ以外は戦後に農地化、宅地化され、面影を留めていません。
鹿児島県では、南九州市の掩体壕公園(知覧飛行場の土塁式掩体壕)とともに、貴重な戦争遺跡のひとつです。
川東掩体壕 | |
名称 | 川東掩体壕/かわひがしえんたいごう |
所在地 | 鹿児島県鹿屋市川東町8206-5 |
関連HP | 鹿屋市観光協会公式ホームページ |
ドライブで | 大隅縦貫道笠之原ICから約3.5km |
駐車場 | 10台/無料 |
問い合わせ | 鹿屋市ふるさとPR課 TEL: 0994-31-1121 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
最新情報をお届けします
Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!
Follow @tabi_mag