「漱石・草枕の里」(玉名市天水町)のビジターセンター的な施設が草枕交流館。明治30年の大晦日、当時、熊本の第五高等学校で英語を教えていた夏目金之助(夏目漱石)は、大学時代からの友人・山川信次郎と小天温泉に旅しています。その旅をもとに、明治39年に発表したのが『草枕』で、天水町は「漱石・草枕の里」となっています。
小説『草枕』の歴史資料館&観光案内所
『草枕』で「那古井温泉」として記される小天温泉。
自由民権運動家で、衆議院議員を務めた前田案山子は、小天温泉にあった別邸の一部を請われて温泉宿にしていました。
明治30年の大晦日から正月の数日を過ごそうと小天温泉の前田家別邸を訪れたのが夏目金之助(夏目漱石)だったというわけなのです。
「山路を登りながら、こう考えた。智(ち)に働けば角(かど)が立つ。情に棹(さお)させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。」という冒頭の名文で知られる『草枕』。
『草枕』に登場する「志保田家」が前田家で、「志保田の隠居」のモデルが、前田案山子。
さらに長男・ 下學が「兄さん」、次女・卓(つな)が宿の「若い奥様・那美」、庭池も「鏡が池」として登場しています。
草枕交流館の館内では、資料や展示パネルなどで夏目漱石の小説『草枕』の背景、小天温泉の宿泊先だった前田家別邸、そして前田家の歴史を紹介。
『草枕』の主舞台となった前田家別邸復元模型や、自由民権運動興隆の時代に、前田家別邸に集った中江兆民、岸田俊子(中島湘烟)や中国人革命家・黄興(こうこう)、さらには孫文らの書も展示されています。
草枕交流館 | |
名称 | 草枕交流館/くさまくらこうりゅうかん |
所在地 | 熊本県玉名市天水町小天735-1 |
関連HP | 漱石・草枕の里公式ホームページ |
電車・バスで | JR玉名駅からバスで30分、小天温泉で下車、徒歩15分 |
ドライブで | 九州自動車道菊水ICから約18km |
駐車場 | 5台/無料 |
問い合わせ | 草枕交流館 TEL:0968-82-4511 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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