熊本市中央区安政町にある昭和9年創業の老舗中華料理店が紅蘭亭下通本店。熊本名物「太平燕」(タイピーエン)のルーツとして知られている名店です。太平燕は、もともと中国福建省福州の郷土料理。明治時代に福建省から九州に渡ってきた華僑がアレンジを加えたのが、熊本の太平燕と推測されています。
熊本のソウルフード「太平燕」のルーツ店
紅蘭亭は昭和9年、在日中国人2世だった葉菊華さんが竜宮城を模した外観の中国料理店を開業したのが始まり。
福建省の料理は、アヒルのゆで卵を入れたスープワンタン(ワンタンの皮は扁肉燕)。
熊本ではアヒルの卵の代わりに鶏の揚げ卵(虎皮蛋)、扁肉燕の代わりに春雨を使い、福建省とは大きく異なる料理に。
紅蘭亭では緑豆100パーセントのこだわりの粉糸(フェンスー)を使用し、塩は露天干しの福建天然塩を使うという、これまた強いこだわりが。
スープも鶏ガラと豚骨でカロリー控えめのヘルシーな料理。
中華定食、干焼蝦仁定食など定食類も充実し、老舗ながら手頃な価格で楽しめるので利用価値は大。
とくに特製酢豚の「スーパイコ」と太平燕、白ごはんを添えた中華定食は店のロングセラーになっています。
熊本のソウルフードともいわれる太平燕は、オンラインショップでの購入も可能。
九州で生まれた「華僑菜」に注目!
長崎の「ちゃんぽん」、そして太平燕、皿うどん、焼きビーフン、蝦吐司(蝦のトースト揚げ)などの中華料理は中国から九州に渡った華僑(華人)が独自に考案した「華僑菜」(かきょうさい)と呼ばれる料理。
もともとは華僑が多い長崎で生まれたのが「華僑菜」。
その後、崇福寺を中心とした九州華僑の横のつながりで、熊本を含めた九州全土に広がっていきました。
つまりは、九州にある食材で、九州人の味覚に合う料理として創案され、発展を遂げたもの。
歴史的にも九州は中国の文化的な玄関口として機能してきましたが、食文化でも「華僑菜」として根付いているのです。
熊本の人が県外の中華料理店で、「太平燕」を注文して怪訝な顔をされて初めて「太平燕は熊本にしかなかったったい」と気づくほど、今やソウルフードになっていますが、華僑菜の源としての位置づけに置かれているのが、太平燕です。
紅蘭亭下通本店 | |
名称 | 紅蘭亭下通本店/こうらんていしもとおりほんてん |
所在地 | 熊本県熊本市中央区安政町5-26 |
関連HP | 紅蘭亭公式ホームページ |
電車・バスで | JR熊本駅から熊本市電健軍町行きで14分、通町筋下車、徒歩1分 |
ドライブで | 九州自動車道益城熊本空港ICから約8.5km |
駐車場 | 周辺の有料駐車場を利用 |
問い合わせ | 紅蘭亭下通本店 TEL:096-352-7177(予約専用) |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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