熊本県上益城郡山都町、五老ヶ滝川に架かる国の重要文化財・通潤橋(つうじゅんきょう)の下流側に落ちるのが、五老ヶ滝。山都町は美しい滝が数多い「滝の町」にもなっていますが、最大の滝がこの五老ヶ滝。落差50mを誇り、歩道に架かる吊り橋から滝の全景を眺めることができます。
27万年前の阿蘇山の最初の噴火の火砕流が生んだ滝
滝の名前は、この地を統治した大宮司・阿蘇惟豊(あそこれとよ=阿蘇氏が最も繁栄した時代の大宮司、通潤橋近くに墓所が)が朝廷の勅使である中納言烏丸光康(ちゅうなごんからすまるみつやす=烏丸冬光の次男で、時の将軍・足利義晴とは懇意)に「ご覧じた滝」が「五郎ヶ滝」に転訛したのだと伝えられています。
地元、山都町郷土史伝承会の調査などによれば、天文13年(1544年)、烏丸光康は矢部の「浜の館」に滞在、阿蘇惟豊が旅の慰めにと案内したのが五老ヶ滝(このとき、阿蘇惟豊は2階級特進し、従三位に)。
阿蘇惟豊は、烏丸光康からもっと朝廷に朝貢することを求め(そうすれば官位が上がるということ)、実際に天文18年(1549年)、御所修理料1万疋を献金し、従二位に叙されています。
地質的には阿蘇火砕流堆積物が固まった阿蘇溶結凝灰岩が滝の上部3分の2で(柱状節理が発達)、滝壺側の基部(水面から4m〜5m)の岩盤は礫層とチャート層でできています。
阿蘇火砕流に関しては、阿蘇山の4回の噴火(27万年前、14万年前、12万年前、9万年前の4回)で噴出した火砕流がわかっていますが、五老ヶ滝周辺の矢部地区では、4回の火砕流すべてを観察できます。
五老ヶ滝を生んだ阿蘇火砕流は、27万年前の噴火で流出したAso-1火砕流という最初の火砕流で、「阿蘇火山」の活動の始まりを示しています。
道の駅通潤橋を起点に、通潤橋とセットで見学をおすすめ(道の駅通潤橋から徒歩15分)。
五老ヶ滝 | |
名称 | 五老ヶ滝/ごろうがたき |
所在地 | 熊本県上益城郡山都町長原 |
関連HP | 山都町公式ホームページ |
ドライブで | 九州中央自動車道山都中島西ICから約14km |
駐車場 | 10台/無料 |
問い合わせ | 山都町商工観光課 TEL:0967-72-1115/FAX:0967-72-1080 |
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