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JR東日本で赤字ローカル線の筆頭が、久留里線・久留里〜上総亀山間

久留里線・久留里〜上総亀山間

JR東日本は、2022年度における利用者がとくに少ない輸送密度2000人未満の34路線62区間の収支を公表していますが、関東地方で100円の運輸収入を得るためにいくらの費用がかかるかを示す「営業係数」が最も悪いのが、久留里線・久留里駅〜上総亀山駅間。100円を稼ぐため、1万6821円必要なのです。 

1日の平均利用者はたった54人!

久留里駅

木更津駅(千葉県木更津市)と上総亀山駅(君津市)を結ぶ32.2kmのローカル線が久留里線。
軌間762mmの軽便鉄道として大正元年12月28日、千葉県が木更津駅〜久留里駅間に敷設した県営鉄道が前身で(大日本帝国陸軍鉄道連隊の訓練として敷設工事を実施)、大正12年9月1日、国有化されて、久留里線に。
昭和5年にナローゲージから軌間1067mmに改軌されています。
昭和11年3月25日、久留里駅〜上総亀山駅間(9.6km)が延伸開業し、久留里線が全通しています(全線が単線)。

木更津~久留里間の2022年度の「営業係数」は、1153円なので、烏山線(宝積寺~烏山)の1173円と同レベルで、内房線(館山~安房鴨川)の1096円、外房線(勝浦~安房鴨川)の923円と比べてもさほど悪くはありません。

久留里~上総亀山は利用者の減少によって運転本線が減り、そのことがさらなる利用者減を生むという悪循環もあって、1万6821円という関東随一の営業係数になっています。

関東エリアで営業係数が悪いといわれる水郡線・常陸大子~磐城塙が5776円、吾妻線・長野原草津口~大前でも2759円なので、関東エリアのワースト3のなかでもダントツだということがわかります。
実は、JR東日本管内でも1万5000円オーバーは、久留里線・久留里〜上総亀山と、陸羽東線・鳴子温泉~最上の1万5184円と2ヶ所のみで(1日の利用者は44人でここがワースト)、3位の磐越西線・野沢~津川が1万3980円という結果になっています。

朝と夕方、夜を中心に、下り列車が1日8本、上り列車が1日9本運行され、2022年度の営業費用は2億8100万円だった一方、収入はわずかに100万円。
1日あたりの利用者数の平均は、1987年度823人だったのが2022年度54人と、この30年余りで9割減少していることから、JR東日本は、バス路線への転換を視野に、千葉県や沿線の君津市に協議を打診する方針を固めているので、近い将来、廃線、バス輸送に切り替わる可能性も・・・。

JR東日本で赤字ローカル線の筆頭が、久留里線・久留里〜上総亀山間
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

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