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法然院

法然院

京都府京都市左京区鹿ケ谷、哲学の道近くにある法然上人ゆかりの手入れされた風雅な庭のある寺が法然院。1206(元久3)年、浄土宗の開祖・法然が、弟子の住蓮、安楽とともに開いた念仏道場の旧跡と伝えられ、春秋には伽藍内の特別公開も行なわれます。

椿の名所でもある法然ゆかりの寺

専修念仏の元祖・法然上人が、弟子の安楽、住蓮などとともに念仏三昧を別行し、六時礼讚を唱えた遺跡が法然院です。

1206(建永元)年12月、後鳥羽上皇の熊野臨幸の留守中に、上皇の女房松虫・鈴虫が法然門下の住蓮、安楽を慕って(密通したとも)出家し、後鳥羽上皇の逆鱗に触れるという事件が発生。
住蓮、安楽は死罪、法然は讃岐国へ流罪となった(「承元の法難」)ため草庵は荒廃しました。

1680(延宝8)年、知恩院第38代門主・萬無上人が法然上人ゆかりの地に念仏道場を建立することを発願し、弟子の忍澂が再興しました。

カエデ茂る参道、茅葺きの山門が山寺の雰囲気を漂わせ、境内は静寂そのもの。
規模はさほど大きくありませんが、本堂、書院、鐘楼、池泉などがあります。

茅葺きの山門をくぐると、白砂壇(びゃくさだん)と呼ばれる盛り砂が。
水を表現した砂壇の間を通り、心身を清めて浄域に入る仕組み。

新緑、紅葉、椿咲く3月下旬〜4月中旬も美しい

法然院はこぢんまりとしたなかに卓抜たるセンスを随所に感じる寺院で、ぜひとも訪れてほしい寺のひとつ。
無鄰菴などの作庭で有名な7代目・小川治兵衛が明治時代に庭園の修景などを手がけていたのだとか。

花では椿が多く、本堂北側の中庭には、三銘椿(五色散り椿・貴椿・花笠椿)が植栽されています。
3月下旬から4月中旬が見頃。

方丈は、伏見にあった後西天皇の皇女の御殿を移築したもの。
狩野光信((かのうみつのぶ/1565年〜1608年)による方丈の襖絵は、国の重要文化財。
方丈と阿弥陀三尊像を祀る本堂は通常非公開ですが、4月1日〜7日、11月1日〜7日に特別公開されています。

墓地には谷崎潤一郎、内藤湖南、河上肇、九鬼周造、福田平八郎ら、文学者や知識人の墓があります。

谷崎潤一郎の墓
法然院と谷崎潤一郎
近代日本文学を代表する小説家のひとり、谷崎潤一郎は明治19年、東京市日本橋区蛎殻町(現・東京都中央区日本橋人形町1-7)生まれ。
『痴人の愛』、『春琴抄』、『細雪』などの作品を残し、昭和40年7月30日没。

谷崎家の墓石は「寂」「空」と彫られたの2基の墓石があり、「寂」は谷崎潤一郎・松子夫妻の墓。
「空」には松子夫人の妹・重子夫妻が眠っています。
谷崎潤一郎は代々谷崎家が日蓮宗であることを嫌っていたことから、自分で生前に法然院に墓を築いたもの。
また、東京の染井霊園に隣接する日蓮宗正寿山慈眼寺にも、芥川龍之介の墓のすぐ近くに谷崎家代々の墓地があり、
「安楽寿院功誉文林徳潤居士」と刻まれた谷崎潤一郎の墓があります。
東京の墓は、この法然院の墓から分骨されたもの。

法然院 3つのチェックポイント

哲学の道近くにある法然上人ゆかりの寺
風情ある寺で、美しい庭、そして谷崎潤一郎の墓も
椿咲く春、秋の紅葉はさらに美しい!

法然院
名称 法然院/ほうねんいん
Honen-in Temple
所在地 京都府京都市左京区鹿ヶ谷御所ノ段町30
関連HP 法然院公式ホームページ
電車・バスで JR京都駅から市バスで40分、浄土寺下車、徒歩15分
ドライブで 名神高速道路京都南ICから約14km
駐車場 2台/無料
問い合わせ 法然院 TEL:075-771-2420/FAX:075-752-1083
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

谷崎潤一郎の墓

2023年9月11日

 

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