京都府京都市山科区、円山公園裏手の華頂山山頂、青蓮院門跡(しょうれんいんもんぜき)の飛地境内である将軍塚(大日堂)に平成26年10月、国宝の青不動(青不動明王二童子像)を祀るために建てられたの将軍塚青龍殿。青不動を奥殿に安置し、精密な複製画を通じて参詣できる仕組みになっています。
建物は大正2年築の武徳殿を移築
将軍塚は、もともと直径40m、高さ1.8mほどの円墳で、平安初期、蝦夷征討に活躍した征夷大将軍、坂上田村麻呂を武具姿のまま棺に納めて埋めたといわれる場所。
『保元物語』、『平家物語』には桓武天皇ゆかりの地としての来歴も残されています。
青龍殿の建物は、大正2年、大正天皇の即位を記念して、「大日本武徳会京都支部武徳殿」として北野天満宮社前に建立された木造大建造物。
戦後、「平安道場」として警察の柔道剣道の道場となり、その後、一般開放されて武道場となっていましたが、「平安道場」は平成10年に閉鎖となり、解体処分となる予定でしたが、貴重な建物ゆえに青蓮院門跡が保存することを決定し、将軍塚に「青龍殿」として移築されたもの。
一見すると純和風の建物に見えますが、屋根を支える小屋組み、建物を支える基礎は外来の技術が用いられており、和洋折衷ともいえる建築様式。
祀られる、青不動(青不動明王二童子像)は、仏像ではなく縦203cm、横149cmの絹本礼拝画像で、妄念(もうねん)、煩悩(ぼんのう)、因縁などあらゆる障害を焼き尽くす不動明王の気迫あふれる姿が描かれています。
青龍殿横の庭園には桜、シャクナゲやサツキが植栽され、桜の花見、紅葉シーズンにはにはライトアップを実施。
また塚から南へ200mほどの場所の東山山頂公園のはずれには、京都市内を一望する市営の展望台があり、夜景を望むスポットとして人気。
将軍塚の展望台というと駐車場近くにある市営の展望台が有名ですが、実は眺めが一番いいのは将軍塚の南にある西展望台と青龍殿前に築かれた大舞台。
とくに青龍殿前には、京都盆地に飛び出すように大舞台が造られています。
天気の良い日ならタクシー飛ばしてでも日没や夜景を見に来る価値あり!
ただし、毎年春と秋に行なわれる、夜の特別拝観・ライトアップのみ、夜間の拝観が可能です。
円山公園から山頂まで歩くと、所要約30分。
将軍塚青龍殿 | |
名称 | 将軍塚青龍殿/しょうぐんづかせいりゅうでん |
所在地 | 京都府京都市山科区厨子奥花鳥町28 |
関連HP | 将軍塚青龍殿公式ホームページ |
電車・バスで | 地下鉄東西線蹴上駅からタクシーで10分 |
ドライブで | 名神高速道路京都東ICから約6.5km |
駐車場 | 将軍塚駐車場(40台/無料) |
問い合わせ | 将軍塚青龍殿 TEL:075-771-0390 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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