サイトアイコン ニッポン旅マガジン

鳩居堂

鳩居堂

京都府京都市中京区下本能寺前町、本能寺の門前にあるお香、書画用品の老舗が、京都鳩居堂。一の谷戦いで平敦盛を討った熊谷直実(くまがいなおざね)から数えて20代目の熊谷直心(じきしん)が、寛文3年(1663年)、京都寺町の本能寺門前で、薬種商「鳩居堂」を始めたのがルーツです。

お香、書画用品の老舗で、宮中伝来の香りを知る!

屋号は儒学者・室鳩巣(むろきゅうそう)の命名で、『詩経』に記される「鳩居」から。
「向かい鳩」の商標は、先祖となる熊谷直実が源平合戦での軍功によって源頼朝から賜った家紋「向かい鳩」に由来しています。

当初は薬種商でしたが、薬種の原料がお香と共通するところから線香や薫香(くんこう)の製造販売を開始。
さらには薬種の輸入先である中国より、書画用の文具を輸入するなど画材屋の日本における先駆けで的な存在に。
明治10年、太政大臣・三条実美(さんじょうさねとみ)は平安時代に生まれ、宮中のみに伝わる「宮中御用の合せ香」の秘方を当主の熊谷直行に伝授、一子相伝の秘法として今も頑なに守られた製法となっています。
明治2年、東京奠都(とうきょうてんと)に伴い、明治13年には宮内庁御用達の便から、銀座尾張町(現在の銀座5丁目)にも出店し、現在は「東京鳩居堂」として親しまれています。

天然の原料(白檀、沈香、伽羅、丁字、茴香、桂皮、安息など)を使い、平安の古から宮中にのみ伝わった秘伝の製法で作られる正統派の薫香はぜひ購入したい逸品。
店内には、様々なお香や和風の文具が揃うが、お香と香炉をともに求めるなら、「六種の薫物」(むくさのたきもの)がおすすめ。
黒方(くろぼう)、梅花(ばいか)、荷葉(かよう)、侍従(じじゅう)、菊花(きっか)、落葉(おちば)の6種類の薫香「六種の薫物」は平安時代からの宮中伝来の香りで、6種類の短い線香が5本と、お香立てがセットに。
たとえば黒方は、沈、丁子、白檀、甲香、麝香、薫陸のブレンド、梅花は甘松、沈、甲香、白檀、熟欝金、かっ香、丁子を合わせています。
王朝人はこの6種の香りで日本の美意識と季節感を表現したのだとか。

香木は和紙などに包んで箪笥に入れても芳しい香りが引き立つ品。
人気の匂い袋、芳香を漂わす竹筒入りの練り粉なども用意されているほか、便箋、シルク刷りの絵はがきなど充実したラインアップ。

当主の熊谷直久さんは、12代目で、建物は、さらに買い物がしやすいようにと、令和2年11月28日にリニューアル。
工事期間中に仮店舗として営業した、道の向かい側の店舗は、休憩、聞香・香道体験ができるスペースとして活用されています。

鳩居堂
名称 鳩居堂/きゅうきょどう
所在地 京都府京都市中京区寺町通姉小路上ル下本能寺前町520
関連HP 鳩居堂公式ホームページ
電車・バスで 地下鉄東西線京都市役所前駅から徒歩2分
ドライブで 名神高速道路京都南ICから約8km
問い合わせ 鳩居堂 TEL:075-231-0510/FAX:075-221-5987
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!

モバイルバージョンを終了