京都府と奈良県の境に近い京都府木津川市加茂町にある天平元年(729年)、聖武天皇の勅願により、行基が阿弥陀堂を建てたのが創始と伝わる古刹が、岩船寺(がんせんじ)。関西花の寺第15番霊場で、6月中旬 ~7月上旬のアジサイの季節には三重塔など境内が花に埋まるような感じに。
アジサイ寺として有名な木津川市の古刹
最盛期には39の坊社を有する大寺院でしたが、承久3年(1221年)、後鳥羽上皇が鎌倉幕府倒幕で挙兵した承久の乱(じょうきゅうのらん)などの戦火で焼失、衰退。
本堂に安置されている高さ3mの欅造りの阿弥陀如来坐像、普賢菩薩坐像は平安時代のもので国の重要文化財。
板壁仕上げの三重塔は室町時代に再建されたものでやはり国の重要文化財。
本堂横の石室に安置された石室不動明王立像は眼病は治癒のお礼に彫られたもので応長2年(1312年)の銘があり、五輪石塔、十三重石塔など周辺の石塔とともに国の重要文化財に指定。
ユニークなものでは、山門の石段の手前右側に巨岩をくり抜いて作られた鎌倉時代の「石風呂」がある。39坊の僧がこの石風呂で身を清め、入山したのだとか。
アジサイの開花期には、手前にアジサイ、背後に重文の三重塔というアングルはカメラマンでなくてもシャッターを押したくなる絶景。
6月中旬 ~下旬に沙羅双樹(ナツツバキ)、7月上旬~ 8月上旬にはハスも開花し、初夏から夏は花見にも最適。
岩船寺と浄瑠璃寺を結ぶ全長2kmの石仏の里のハイキングコース「当尾の石仏めぐり」も整備されています。
距離はないのですが険しい山道なので所要は2時間ほどみておいたほうが無難。
ちなみに、東大寺大仏殿の造営時に、朝鮮半島から多くの石工が招聘されたことが奈良・加茂周辺の石仏文化に繋がっています。
岩船寺近くには岩船阿弥陀三尊磨崖仏(わらい仏)もあるので、あわせて見学を。
岩船寺 | |
名称 | 岩船寺/がんせんじ |
所在地 | 京都府木津川市加茂町岩船上ノ門43 |
関連HP | 岩船寺公式ホームページ |
電車・バスで | JR加茂駅から奈良交通バス奈良駅西口行きで16分、岩船寺下車、徒歩2分 |
ドライブで | 京奈和自動車道木津ICから約10km |
駐車場 | 周辺の有料駐車場を利用 |
問い合わせ | 岩船寺 TEL:0774-76-3390 |
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