京都府八幡市を流れる木津川に架る昔ながらの木橋が上津屋橋(こうづやばし)。川が増水すると橋桁が流される構造を持つ流れ橋で、流れ橋、木津川流れ橋、八幡流れ橋などと通称されています。京都の 東映京都撮影所(東映太秦映画村)にも近いことから時代劇定番のロケ地にもなっています。
時代劇のロケに絶好のロケーション
橋長356.5m、幅員は3.3m(有効幅員3.0m)。
橋に欄干はないため、本人だけでなく歩行者などの安全のため、橋の中央を歩くこと、バイク、自転車は降りて通行することになっています。
橋の板は、ワイヤーロープで繋がれており、増水で流出しても元に戻せる仕組み。
昭和28年に橋が架橋される以前には渡船があり、石清水八幡宮の参詣者にも利用されていました。
現在は、城陽市と結ぶ京都府道281号(八幡城陽線)の一部になっています。
設計したのは当時27歳の京都府職員・徳田敏夫で、後に宮津市長に就任。
「コンクリートは当時はまだ高価だったので、選択の余地なく木を使った」(宮津市長時代の徳田敏夫)とのことで、永久橋に比べればはるかに安価に架けられたから流れ橋にしたのだとか。
昭和28年8月の南山城水害では、大阪まで流れてしまったことも。
以来、流出した回数は20回以上。
近年は温暖化に伴った洪水で流出する頻度が上がり、永久橋を求める声も高まっています(復旧まで時間がかかること、復旧工事に数千万円かかるため)。
流れ橋周辺には、京都の特産・抹茶の原料となる碾茶(てんちゃ)の栽培が盛んで、日本遺産「日本茶800年の歴史散歩」の構成資産となる茶畑が広がっています。
こうした人工物がフレームに入らない風景が、時代劇のロケ地となるゆえん。
木津川堤防沿いには木津川サイクリングロード(八幡木津自転車道線)が整備され、東屋のある休憩所が整備されています。
また、流れ橋近くの「やわた流れ橋交流プラザ四季彩館」では、宿泊ができるほか、小松菜、九条ネギ、ホウレン草などの新鮮野菜の農産物直売所「八幡店」(JA京都やましろ)、地元野菜を使ったおばんざい、ランチブッフェ、創作懐石料理が味わえる「八幡屋」(テラスはペット同伴可、ディナーは予約制)、四季の湯に日帰り入浴が可能。
国内の流れ橋としては小目沼橋(茨城県つくばみらい市/橋長95.0m、幅員1.7m、昭和31年架橋)、船小屋観光橋(福岡県筑後市・みやま市/橋長59.5m、幅員1.2m、昭和38年架橋、平成19年流出)がありますが、規模、歴史とも上津屋橋は日本を代表する流れ橋です。
流れ橋(上津屋橋) | |
名称 | 流れ橋(上津屋橋)/ながればし(こうづやばし) |
所在地 | 京都府八幡市上津屋宮前川端・久世郡久御山町佐山浜台 |
関連HP | 八幡市公式ホームページ |
電車・バスで | 京阪石清水八幡宮駅から京阪バスで上津屋流れ橋下車、徒歩5分 |
ドライブで | 第二京阪道路八幡東ICから約1km |
駐車場 | やわた流れ橋交流プラザ 四季彩館駐車場(30台/無料)を利用 |
問い合わせ | 八幡市環境経済部商工観光課TEL:075-983-2853/FAX:075-982-7988 |
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