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日本ループ橋総覧(1)河津七滝ループ橋

「ループ橋フリーク」がいるほど、注目を集める存在がループ橋。英語ではspiral bridge、loop bridge、pigtail bridgeが正しい表現ですが、ここでは日本国内一般的な呼称であるループを使います。ループ橋総覧の筆頭は、「日本一美しい」とも称される静岡県賀茂郡河津町の河津七滝ループ橋です。

日本一美しい!? 二重ループで天城越の高度差を克服

空から眺めた河津七滝ループ橋(ヘリコプターで特撮)

取材班が過去、もっとも感動したループ橋は「河津七滝ループ橋」です。
国道414号、七滝(ななだる)・大滝(おおだる)温泉への入口に位置していますが、国道はループ橋で一気に高度をかせぎ、天城の山越えに挑みます。
下の写真と地図を眺めてください。なんと美しくループを描いていることでしょう!

総延長1.1km、高さ45m、直径80mの巨大な2重ループ橋で、正式名称は、七滝高架橋(ななだるこうかきょう)。

ループ橋ができる以前は東側の山中を九折(つづらおれ)で高度差を克服する国道でしたが、昭和53年の伊豆大島近海地震の際、震度6相当の揺れに襲われ、大規模な崖崩れが発生(走行中だったバスに崖崩れが直撃し、乗客3名が死亡、8名が負傷)。
この崩落をきっかけにして、美しいループ橋が誕生したのです。
残念ながら、地図ではこの美しい二重の部分が表現できません。

地元、河津町の話では「地震による土砂崩れの教訓を生かして採用された工法で、遊園地気分の2回転パノラマが楽しめると好評です。河津の観光名所といっても間違いありません」とのことで、昭和56年の完成時には土木学会田中賞を受賞しています。

ループ橋の真下に駐車場があり、駐車場から見上げるループ橋も迫力満点。

このループ橋、伊豆半島ジオパークのジオサイトにもなっていますが、ループ橋を築かざるを得なかった急峻な谷には河津七滝と総称される瀑布群があります。

ループ橋に近い旅館「大滝温泉 天城荘」にはなんと30近い湯船がありますが露天風呂(音色の湯)は、ループ橋の展望台のようなロケーションの湯船になっています。

河津七滝ループ橋下の駐車場から見上げる二重ループ
天城荘の露天風呂からリープ橋を眺望
日本ループ橋総覧(1)河津七滝ループ橋
所在地 静岡県賀茂郡河津町梨本
場所 河津七滝ループ橋
ドライブで 東名高速道路沼津ICから約57km
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

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