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【マンホールで知る町自慢】No.020 岐阜県中津川市

中津川市のマンホールの絵柄は『おいでん祭』と市の花「サラサドウダン」。
「おいでんさい、なかつがわ」と書き添えられています。「おいでんさい」は「いらっしゃい」の意味を持つ中津川周辺の方言です。

新しくて歴史あるおいでん祭

中津川駅前で見つけたデザインマンホール

『おいでん祭』は、中津川市で毎年8月12日~13日に開催される夏祭り。
『おいでん祭』の一番の見どころが「風流おどり」です。カラフルな旗竿を背中に立てて町の中を練り歩くこの踊りは、夏の中津川に欠かせない情緒あふれる風物詩となっています。

昭和62年に市制35周年を記念して開催されたのが『おいでん祭』の始まり。
祭りの歴史は浅いと思われるかも知れませんが、旧苗木藩主・遠山家の蔵の虫干しで偶然発見された約400年前の絵図に描かれた『風流おどり』(昭和59年発見、2畳大)がベースになっています。

遠山家は藩祖・遠山友政(信長家臣)から12代にわたってこの地を治め、江戸時代には石高1万石という少ない禄高でありながら、苗木城を幕末まで転封されることなく守り続けました。1万石の小藩ながら幕末まで維持したのは稀少な例です。

『風流おどり』の絵図には、旗竿を背負い、鐘や太鼓を打ち鳴らし雨乞いしたと思われる領民の様子が描かれていました。
市民参加の祭りを、とのことで、名称も一般公募され『おいでん祭』と名付けられました。

マンホールの絵柄のモチーフとなっているのは、大きな太鼓を抱え、色とりどりの旗竿を背中に立てた姿です。なんと15kgもの旗竿をお辞儀をするような仕草で、傾けたり立てたりしてダイナミックな祭りをさらに印象づけています。

『風流おどり』がルーツの『おいでん祭』

国の史跡苗木城跡

旧苗木藩は、現在の岐阜県中津川市苗木に位置し、美濃国の恵那郡の一部と加茂郡の一部を領地として幕末まで一貫して遠山氏が治めていました。

そんな遠山氏の居城が苗木城で、中津川市の中央に横たわる木曽川の北岸、高森山山頂(標高432m)に築かれていました。今でこそ穏やかな木曽川ですが、上流にダムなどがない往時には水量も多く激流で、天然の要塞となっていました。
高森山の麓では深い淵もあり、濃い霧が立ちこめることから苗木城は「霞ヶ城」とも呼ばれていました。

高森山山頂(標高432m)に築かれた苗木城

自然の地形を活かして木曽川を自然の濠に、高森山の巨岩と人工的に造り上げた石垣を巧みに組み合わせた城郭。天守は2つの巨岩の上に築かれていたということ。江戸時代に描かれた図面、復元された想像図が「中津川市苗木遠山資料館」に展示されていますが、お城マニアだけでなく、巨石好きもその図面や復元CGを見れば、苗木城に足を伸ばしたくなるはず。

まさに岩山といった風情の山城跡には現在、山道を登り詰めた天守部分に当時の構造を再現した見晴台が設置され、正面に見える恵那山とゆったり流れる木曽川を眼下に、巨岩と景観で山城気分を堪能できます。

新田瑞気作/苗木城本丸の絵図(部分拡大)

市の花「サラサドウダン」

もうひとつ、マンホールに描かれている市の花「サラサドウダン」は花びらに更紗(インド起源の文様染め)のような模様があることがその名の由来で、別名「フウリンツツジ」とも呼ばれます。
その名の通り枝先に風鈴のような釣鐘形の花をつけ、ドウダンツツジにも似ていますが少し花が大きくて、淡い紅色が特徴。

通常は4月~5月頃に開花します。
中津川市では恵那山(標高2191m)山頂付近、根の上高原、高峰山(標高947m)などに自生し、恵那山頂では7月上旬頃まで花を見ることができます。

サラサドウダン(更紗灯台、更紗満天星、学名:Enkianthus campanulatus)

中津川市苗木遠山資料館にも寄り道を

苗木城跡に隣接する「中津川市苗木遠山資料館」には、苗木藩遠山家の資料を中心に中世~戦国時代~明治初期に至る文化遺産を保存。苗木領や苗木城に関するの貴重な資料を収蔵保存しています。苗木城の縄張り図、遠山家伝来の甲冑など、展示替えを行ない一般公開しています。また、ボランティアガイドによる案内(城跡の案内は3月~11月)も受け付けていますので、希望の場合は1週間前までに申し込みを。
■入館DATA
開館:9:30~17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜(祝日の場合は翌日)、12月27日~1月5日休
入館料:大人320円、中学生以下無料
TEL:0573-66-8181
FAX:0573-66-9290

掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
 

 

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