昭和6年3月17日に参宮急行電鉄線(後に近鉄に吸収)の終着駅、伊勢神宮の玄関駅として建設された宇治山田駅は、私鉄の駅舎としては有数のクラシックさと豪華さで、国の登録有形文化財の指定を受けています。3階建て、間口120mという大きな建物で、中央コンコースで2階まで吹き抜け。駅名は当時の宇治山田市という市の名から。
「神都の玄関駅」として貴賓室なども備えた豪華な駅舎
神宮の式年遷宮を記念した『御遷宮奉祝神都博覧会』の跡地に昭和6年に築かれたのが宇治山田駅。
神宮最寄りのターミナル駅として開設され、草花の模様を施したテラコッタ(素焼き)の外壁に、スペイン瓦という気品漂う造り。
天皇や内閣総理大臣の来訪に備えて貴賓室を備え、皇室や内閣参拝時は普段使われてないホームや階段が用意されるなど、神宮の玄関駅としてのプライドを感じさせます(開業時は「神都の玄関駅」)。
設計は、昭和6年5月25日開業の東武鉄道浅草駅、昭和7年7月9日開業の4代目・南海電気鉄道難波駅(南海ビルディング)と同じ久野節(くのみさお)。
八角形の明かり窓が印象的で、これは1920年代から30年代に流行したアールデコの影響を受けたもの。
1階は駅事務所、2階は改札口と団体待合室、貴賓室、3階がプラットホームという構造。
当時としては斬新な高架ターミナル駅に、「伊勢では電車も高天原に着く」といわれました。
鳥羽線開業以前に賢島方面へ向かう際の乗り換えの便宜を図るために設置されスロープを上ってきたバスが方向転換していた転車台(昭和36年〜平成6年の間に使用)が宇治山田駅3階に現存しています(転車台はホームからのみ見学可能)。
一般にはまったく知られていませんが、早朝に宇治山田駅を出発して、およそ2時間半をかけて大阪に到着する「鮮魚列車」(魚介類行商人のための団体専用列車)も運転されています。
宇治山田駅 | |
名称 | 宇治山田駅/うじやまだえき |
所在地 | 三重県伊勢市岩渕2-1-43 |
関連HP | 近畿日本鉄道公式ホームページ |
ドライブで | 伊勢自動車道伊勢西ICから約2km |
駐車場 | 伊勢有料駐車場(75台/有料)などを利用 |
問い合わせ | 近畿日本鉄道宇治山田駅 TEL:0596-28-2767 |
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